2021年5月25日 朝日新聞デジタル
新潟県警の警察犬として11年間活躍したシェパード「リア号」が4月に14歳で死んだ。犯罪捜査や行方不明者捜索など長年の貢献に、県警幹部も感謝している。
納骨式は4月27日に県警察学校(新潟市西区)で行われ、刑事部長らが出席。鑑識課の石黒純・警察犬係長(42)は「長い間お疲れ様でした」とねぎらった。
リア号が警察犬として活動を始めたのは2009年。同課の遠藤祐一・警察犬係長(52)は、12年に新潟市のスポーツ用品店で起きた窃盗事件が印象に残っている。容疑者が落としたサンダルのにおいから、1時間ほどで隠れていたところを見つけた。直接見つかることはめったにないという。捜査能力を評価され、15年には警察庁表彰も受けた。
だが、昨年から体力が落ち、現役を引退。犬舎のクッションに座っていることが多くなっていた。注射や投薬にもかかわらず、体調は悪化。4月16日、遠藤さんは横たわっているリア号の様子を見てから現場に向かったが戻ると体は冷たく、硬直が始まっていた。
民間の警察犬は県内に12匹いるが、県警直轄は4歳の「ディディ号」と10歳の「イドゥナ号」の2匹。人間と犬が互いを補い合う「人犬一体」の捜査がスムーズにできるようになるには半年から1年ほどかかる。県警は今後、新たな警察犬の導入を検討している。(友永翔大)