2021年5月12日 時事通信ニュース
【ロンドン時事】英政府は12日、中華料理の高級食材として知られるフカヒレの輸出入を禁止すると発表した。フランス料理の珍味フォアグラの販売禁止も検討する。いずれも「動物福祉の向上」が狙いで、これらを盛り込んだ法律を順次議会に提出する。
フカヒレはサメのひれを乾燥させたもので、中国では伝統的な食材。ただ、近年ではサメのひれだけを切り取り、胴体を海に捨てる漁が「残酷だ」として問題となっていた。
フォアグラの販売禁止も検討する。ガチョウやアヒルにたくさんの餌を与え、肝臓を肥大化させて作るフランス料理の伝統食材だが、「生産方法が残酷だ」との指摘が出ている。
今回の決定は英国内の高級な中華料理店やフランス料理店、美食家らには打撃となりそうだ。しかし、ユースティス環境・食料・農村相は「動物愛護で世界をリードする。欧州連合(EU)を離脱し、われわれはこれまで以上に前進することができる」と強調した。
英政府はこのほか、チンパンジーなど霊長類をペットとすることも禁止する。一方で、英国で伝統的に行われているキツネ狩りなどに対する規制強化は見送る方向だ。
[時事通信社]