2021年4月14日 讀賣新聞オンライン
劣悪な環境で犬を飼育したとして、警視庁蒲田署は14日、東京都大田区南蒲田、自称占い師の女(46)を動物愛護法違反(虐待)容疑で逮捕したと発表した。逮捕は12日。女の自宅からは犬や猫、爬虫類など24種類計58匹・羽が見つかり、蒲田署はペットを数多く飼いすぎて適切に管理できない「多頭飼育崩壊」の状態に陥っていたとみている。
「コロナ 旅行代わりに」
発表によると、女は4月12日、ふん尿が堆積した自宅1階の室内で、雑種の犬5匹を飼育して虐待した疑い。調べに容疑を認め、「新型コロナウイルスの影響で趣味の海外旅行に行けず、ペットを増やした。週1回は掃除をしていたが、追いつかなくなった」などと供述している。
女は2階建て賃貸住宅で一人暮らしだった。約3年前に保健所から犬2匹を引き取って飼い始めた後、子犬が生まれたり、他のペットを購入したりして飼育数が増加。昨年4月以降、約30匹・羽を新たに飼い始めていたという。
先月末に女宅を訪れた知人が警視庁に通報。蒲田署が今月12日に自宅を捜索し、ふん尿やネズミの死骸が散乱する1階で犬5匹を保護した。2階でも別の犬2匹と猫2匹、ウサギ16匹などを発見し、それぞれ都動物愛護相談センターなどに引き渡した。
現場はJR蒲田駅から南東約1キロの住宅街。12日の捜索では、ケージに入れられた動物が次々と運び出され、犬はぐったりして元気のない様子だった。
地元の大田区保健所には約2年前から騒音や悪臭の苦情が寄せられ、行政指導を行っていたが、改善されなかったという。近くに住む会社員女性(30)は「逃げた犬に人がかまれたこともあった。家に小さい子どもがいるので毎日不安だった」と話していた。
◆保護された動物
▽犬7匹▽猫2匹▽ウサギ16匹▽ハムスター2匹▽ラット2匹▽スナネズミ1匹▽チンチラ1匹▽フェレット1匹▽モモンガ1匹▽ハリネズミ2匹▽カンムリウズラ1羽▽ウズラ1羽▽セキセイインコ2羽▽キンカチョウ3羽▽ボタンインコ1羽▽ギンバト2羽▽メンフクロウ1羽▽メガネカイマン(ワニ)1匹▽サルバトールモニター(トカゲ)1匹▽ヒョウモントカゲモドキ3匹▽イグアナ1匹▽ゼニガメ3匹▽リクガメ1匹▽ボールパイソン(ヘビ)2匹
◆動物愛護法 動物をみだりに殺傷・虐待したり、捨てたりする行為を禁じている。警察による摘発は増加傾向で、昨年は全国で10年前の3倍超の102件。昨年6月には改正法が施行され、罰則を5年以下の懲役などに引き上げたほか、多頭飼育崩壊の恐れがある犬猫の飼い主に不妊・去勢手術などを義務づけた。