コストコがココナッツミルクの販売停止…「サルの強制労働」の告発を受けて | トピックス

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2020年11月8日 BUSINESS INSIDER







ココナッツの収穫にサルが利用されているとする潜入調査の結果を受けて、コストコはタイのメーカーからの仕入れを行わないと宣言した。 

 動物保護団体のPETAは8月に調査報告書を発表し、タイを拠点とするココナッツミルクメーカーのチャイカ社は「鎖につながれたサルを、ココナッツ収穫マシンとして利用している」と訴えた。

 ココナッツミルクの大手メーカー、テパドンポーン社は「我々のココナッツ農園では、サルを労働力として利用していない」と声明で述べ、報告内容は事実ではないとした。 

 ウォルグリーンやフード・ライオンなどのように、サルの労働力を利用して生産したココナッツミルクを商品棚から撤去する小売業者は増えており、それにコストコも加わることになった。

 アメリカの動物保護団体PETAは、ココナッツの収穫のためにサルの労働力が利用されていると告発する潜入調査の結果を発表した。10月28日のPETAのプレスリリースによると、その結果を受け、小売業大手のコストコ(Costco)はタイの供給会社から仕入れたココナッツミルクを、商品棚から撤去したという。

 この潜入調査によって、タイを拠点とするココナッツミルクメーカーのチャイカ(Chaika)で「鎖につながれたサルがココナッツ収穫マシンとして利用されている」ことが突き止められた。プレスリリースでは、PETAアジアが8月に発表した調査結果を引用し、「すべての農園、すべてのサルの訓練施設、すべてのココナッツ収穫コンテストではサルに対する虐待が見られる」と報告した。 

 調査によると、タイ各地の8つの農園で、サルは1日約1000個のココナッツを収穫させられているという。またサルたちは「観光客向けのサーカス風のショー」を強制され、「体よりかろうじて大きい檻に入れられ」、「古タイヤに鎖でつながれている」という。そして、極度の苦痛を感じている様子が見られ、あるサルは自分の腕を噛みちぎったという報告もある。 

 「心ある消費者は、サルが鎖につながれ、ココナッツ収穫マシンのように扱われるようなことを望んでいない」とPETAのイングリッド・ニューカーク(Ingrid Newkirk)会長はプレスリリースで述べた。 

 「コストコは、動物からの搾取を拒否するという正しい選択を行った。クローガー(Kroger)などの企業もそれに続いてほしいと我々は呼びかけている」

 コストコの広報担当者は、USAトゥデイに対し、これについてのコメントは「できない」と語った。だが、同社のバイス・プレジデント、ケン・キンブル(Ken Kimble)がニューカークに宛てた書簡で「収穫の実態を監視し続け、それが満足のいくものになれば、仕入れを再開するつもりだ」と述べたと、USAトゥデイが報じた。 

 「我々はサプライヤーに対し、収穫にサルの利用を認めないこと、収穫はすべて人間の労働によって行われるべきであることを明確に示してきた」とキンブルは書簡で述べた。 

 「サプライヤーは同じ条件で、供給元となる農園と契約する。収穫方法の指針を伝えるためにサプライヤーがすべての農園を訪問しているところだ」 

 タイを拠点に「チャオコー」ブランドのココナッツミルクなどを製造する大手食品会社テパドンポーン(Theppadungporn)社は、PETAの告発に関して、USAトゥデイに以下の声明を出した。 

 「タイのココナッツ産業における『サルの労働』に関する最近の報道を受け、ココナッツミルク生産の世界的なリーダーであるチャオコーは、ココナッツ農園でサルの労働力を利用していないことを保証する」

 ウォルグリーン(Walgreens)やフード・ライオン(Food Lion)、ジャイアント・フード(Giant Food)、ストップ&ショップ(Stop & Shop)などのように、サルの労働力を利用して生産したココナッツミルクを商品棚から撤去する小売業者は増えており、コストコもそれに加わることになった。

 Insiderはコストコとテパドンポーン社に対しコメントを要請しているがまだ回答はない。 

 [原文:Costco stops selling coconut milk from Thai supplier accused of using 'chained-up' monkeys as forced labor](翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)