「クマ忌避杭」の効果、秋田県が検証へ 住宅地付近の獣道に設置 | トピックス

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2020年8月13日 産經新聞






秋田県立大の野田龍准教授らが開発した「クマ忌避杭」を県としても検証しようと県ツキノワグマ被害対策支援センターが、秋田市外旭川の住宅地に近い出没地に杭を使った柵を設置した。赤外線センサーカメラで10月末まで熊の反応などを観察する。

  現場は、もともと一体だった山林に県道を通すため、切通しにした斜面のすぐ上の森で見つかった獣道。獣道を下りた斜面で休んだり、県道を渡ったりする熊がひんぱんに目撃されている。100メートルほどの距離には住宅地があるため「熊が山林の外に出てこないようにする必要がある」(同センター)という。 

  忌避杭は野田准教授が横手市の木工メーカー「ウッディさんない」と開発。木の杭にトウガラシエキスなどをしみ込ませた数十個の木栓を埋めたもので、自然素材で熊避け効果があるとして6月に特許を申請している。

  県が設置したのは、同社が販売する規格品よりひと回り短い全長1・5メートルのスギの杭3本。獣道を遮るように打ち込み、さらに木栓を結い付けたシュロ縄を横3段に渡した。 野田准教授は「獣道の両脇に県が赤外線センサーカメラを設置したので、熊の個体差による反応の違いや忌避効果の持続度などを改めて見めたい」と話している。