(CNN) 米マサチューセッツ州ウォルサムで、飼い主の女性と何十年もの間、幸せに暮らしていた53歳のカメの「ミズ・ジェニファー」。いつも市内の銀行などへ一緒に出かけ、街中の人たちに親しまれていた。ところが飼い主が新型コロナウイルスに感染したことで、境遇が一変した。
飼い主の新型コロナウイルス感染で、突然、家を失ったミズ・ジェニファー。5月9日にボストンの動物愛護団体に引き取られ、飼い主と再会できるまで保護施設で面倒を見てもらえることになった。施設では戸外でたっぷり時間を過ごさせてもらい、草の上で日光浴をしながら新鮮なタンポポを食べさせてもらっていた。53歳の誕生日にはパーティーまで開いてもらい、好物の果物にタンポポを載せたケーキをプレゼントされた。しかし、その週に、飼い主だった高齢女性が新型コロナウイルスのために亡くなった。その境遇がニュースやソーシャルメディアで伝えられると、ミズ・ジェニファーは注目の的になり、里親になりたいという申し出がわずか数日で3000件以上、全米から電話やメールで寄せられた。何千件もの申し出を審査した結果、完璧な飼い主が見つかった。里親に決まったのは科学者の女性で、「正真正銘のカメの専門家」だった。ミズ・ジェニファーは5月25日、ボストン市内の新しい飼い主のもとに引き取られた。元気でやっていると施設の担当者は話している。同施設が保護した動物の中で、ミズ・ジェニファーは最高齢だった。それでもまだ人生の最盛期にあり、あと50年は生きる可能性がある。「新しい飼い主に愛情を注がれて、次の50年もこれまでの50年と同じように生きていってほしい」と担当者は願っている。