
「見たことのないヘビを捕まえた。オレンジ色のしましまのヘビ。珍しいのでしょうか」-。岐阜県山県市の住民から、岐阜新聞のトクダネ取材班に情報が寄せられた。捕獲場所は、同市岩佐の山際に広がる農地沿いの道路。そんな奇抜なヘビが山県の山里にいるのだろうか。正体を調べてみると、外国産の生き物が日本の自然界に放され、生態系に影響を与える外来種問題の一面が見えてきた。野外でそうした生き物を見つけた時、どう対応すればいいのか。
第一発見者は、近くに住む吉田忠史さん(75)=同市岩佐=。今秋のある朝、散歩中に道路脇の側溝の底をはうヘビを見つけた。「最初はひもかと思った。遠くから見ていたら動いたんで、あっ、ヘビやって驚いた」。全長約50センチ、太さ1センチ弱。奇抜な色で、毒ヘビなら放っておけないと思い、親しい友人に手助けを求めた。ヘビの頭をつかんで、空の4リットルペットボトルに押し込み、最寄りの駐在所の警察官に連絡。山県署からパトカーが駆けつけ“拾得物“として引き渡した。牙をむくこともあったが、おとなしい性格のヘビだったという。

記者は、吉田さんらから送られた写真データを岐阜大の動物繁殖学研究室の楠田哲士准教授に見てもらった。「コーンスネーク」という米国南東部原産の外来種の可能性が高いという。1メートル20センチほどまで成長することから、これから成体になるとみられる。毒がなく性格もおとなしいため、飼いやすく、ペットショップで販売されている。ペット向けのヘビの中では最も知られた種類という。
楠田准教授は「アパートに住んでいても、ヘビならケースの中で飼える。鳴かないし、匂いもほとんどない。爬虫(はちゅう)類は女性を中心に人気が高まっている」とした上で「コーンスネークは日本の自然界にいてはいけない」と語気を強める。飼っていたものが逃げ出したか、飼い主が放したか。危険ではないというが、地域によっては日本の冬を野外で越せる可能性があり、複数いれば繁殖するかもしれない。1匹でも日本のヘビと交雑しないとは言い切れない。「外来種問題はこうした積み重ねで深刻化する。見つけ次第、対処しなくてはいけない。飼えなくなっても、自分で飼い主を探すなどして責任を持ってもらいたい」と注意を呼び掛ける。
コーンスネークは飼育数が多いため、逃げ出したり放されたりする確率が高いほか、色もオレンジ色に限らず、黄色などさまざまな品種がある。黒色などの地味な色だと、見過ごされている恐れもある。ヘビの正体が分かり、吉田さんは「古里の自然に悪影響を与える。逃がしたのなら、そういうことはやめてほしい」と話す。
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岐阜新聞は、暮らしの疑問や地域の困り事から行政・企業の不正告発まで、情報提供や要望に応え、調査報道で課題解決を目指す「あなた発!トクダネ取材班」を創設しました。あなたの知りたいこと、困っていることについて、ご要望や情報をお寄せください。LINEの友だち登録で取材班と直接やりとりもできます。
楠田准教授は「アパートに住んでいても、ヘビならケースの中で飼える。鳴かないし、匂いもほとんどない。爬虫(はちゅう)類は女性を中心に人気が高まっている」とした上で「コーンスネークは日本の自然界にいてはいけない」と語気を強める。飼っていたものが逃げ出したか、飼い主が放したか。危険ではないというが、地域によっては日本の冬を野外で越せる可能性があり、複数いれば繁殖するかもしれない。1匹でも日本のヘビと交雑しないとは言い切れない。「外来種問題はこうした積み重ねで深刻化する。見つけ次第、対処しなくてはいけない。飼えなくなっても、自分で飼い主を探すなどして責任を持ってもらいたい」と注意を呼び掛ける。
コーンスネークは飼育数が多いため、逃げ出したり放されたりする確率が高いほか、色もオレンジ色に限らず、黄色などさまざまな品種がある。黒色などの地味な色だと、見過ごされている恐れもある。ヘビの正体が分かり、吉田さんは「古里の自然に悪影響を与える。逃がしたのなら、そういうことはやめてほしい」と話す。
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