中国大連でゴマフアザラシの赤ちゃん100頭密漁 38頭死亡 | トピックス

トピックス

身近で起こっている動物に関する事件や情報の発信blogです。

2019年3月9日 NEWSポストセブン 






中国東北部・遼寧省大連市沿岸に設定されているゴマフアザラシ保護区の長興島で、100頭のゴマフアザラシの赤ちゃんを密猟していたとして、大連市警察本部はこれまでに10人以上の地元民を逮捕していたことが分かった。

 密猟のために使われていた古い小屋の中に100頭のゴマフアザラシがいたが、そのうち29頭が死んだ状態で発見された。他のアザラシも大連市内の水族館などに送られたが、このうち9頭が死亡したという。

 大連付近の渤海の遼東湾付近はゴマフアザラシの保護区となっているが、地域住民らは保護区から少し離れた海域で密猟していた。警察当局は海面が凍っていたため、船による巡視ができなかったとしているが、中国の保護動物であるゴマフアザラシ38頭が死んでいるため、警察当局の監視体制の甘さを批判する声が出ている。

 大連の保護区には約3000頭のゴマフアザラシが生息しているとされるが、このところ密猟が絶えないという。


もともとゴマフアザラシのオスは食用のほか、精力剤として捕獲されていた。とくに、ペニスを原材料として、乾燥させて、漢方薬とブレンドした精力剤も市販されている。警察によると、ゴマフアザラシ1頭のペニスは1万元(約17万円)から3万元で取り引きされているという。

 また、最近ではゴマフアザラシのメスや赤ちゃんも高値で売れており、密猟していた地元住民は「水族館などに売ればいい金になる」と話しているという。

一連の騒動について、王志相・中国国立海洋生物保護協会副会長は、香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」に対して、「アザラシは人間に懐きやすく、すぐに信用してしまうという特性があるため、一定期間、飼われてしまうと、野生に帰っても順応できないケースが多数報告されている。とくに、赤ちゃんの場合は、よほどしっかりとした野生回帰の訓練・教育をしないと、再び密猟者の餌食になりかねない」と警告している。