ペットの飼養に関するアドバイザー集団が主催する犬の合同お散歩会が、愛犬家の人気を集めている。人間目線の愛情ではなく、ペットに寄り添う「動物福祉」の観点から、飼い主と愛犬が互いに理解し合える関係づくりが目的。16日には御坊総合運動公園で8回目のお散歩会が開かれ、競技場の周辺を一緒にお散歩、ゲームも楽しみ交流した。
お散歩会を主催しているのは、人と動物がともに笑顔で暮らせる社会づくりを目的に、ペットに関する全般的な相談に対応、散歩やしつけ方、老犬生活、ペット生活住環境などのアドバイスを行っている「しっぽのわ」。公益社団法人日本愛玩動物協会認定の愛玩動物飼養管理士が集まって4年前に発足し、現在は女性スタッフ6人が県動物愛護センターなどと連携して動物愛護思想の普及・啓発活動に努めている。
犬のお散歩会は、春と秋冬の年2回、和歌山市、有田市、御坊市など毎回、会場を変えながら開催。今回の御坊総合運動公園は初めてで、地元ほか県内各地から23人の飼い主と、小型のチワワやトイプードル、大型のラブラドールレトリバーなど26頭が参加した。
しっぽのわの神領美紀代表は今回、災害時のペットとの避難に関し、ペットと避難後に離れて生活する「同行避難」と、避難後も一緒に生活する「同伴避難」の違いを説明。その後、ビギナーと常連に分かれて競技場の周囲を歩き、すべての犬が3㍍のリードをつけ、スタッフが▽犬が先を歩いてリードが伸びきってもリードを引っ張らない▽飼い主が犬に近寄ってリードを緩める――など、犬がストレスを感じない散歩の仕方をアドバイスした。
美浜町の女性は愛犬のトイプードルと一緒にビギナークラスに参加。「はじめは(県動物愛護センターの)しつけ方教室に参加し、そこで知り合った方たちとこのお散歩会にも参加するようになりました。犬も初めてのときは緊張していましたが、きょうはもう来る前からうれしそうで、私も犬が好きな人と知り合い、いろんなお話をできて楽しいです」と笑顔。
スタッフは「ワンコ(犬)は指示されたりコントロールされるより、自分の気持ちを分かってもらえる飼い主と暮らす方がきっと安心で楽しいはず。そんなワンコは大好きな飼い主の意をくみ、互いに幸せな生活を送ることができます」と話している。
写真=御坊総合運動公園内を3㍍のリードをつけて散歩する犬と飼い主