貴重な生態系を守ろうと、奄美大島でノネコの捕獲が始まって2か月が経った。動物愛護団体などが18日、捕獲したノネコの殺処分を防ぐため、譲渡手続きの簡略化などを求める要請書を提出した。奄美市など地元の自治体で作る奄美大島ねこ対策協議会に要請書を提出したのは、公益財団法人どうぶつ基金など4つの団体。奄美大島では、今年7月から希少生物アマミノクロウサギなどを襲うノネコを捕獲し一時的に収容する取り組みを開始。17日までの2か月間に15匹を捕獲した。捕獲後1週間程度で譲渡先が見つからなければ安楽死させることになっているが、これまでは動物愛護団体などが引き取り、殺処分はされていない。要請は譲渡希望者に対する所得・納税証明の提出義務を無くすことや一時保護期間を1か月以上に延ばすこと、捕獲したネコの情報公開を細やかにすることなど9項目に渡る。どうぶつ基金の足立萌美獣医師は「欲しいという方に対してもう少しハードルを下げて頂きたいということと、ウサギの現在の生息調査を行ってから(ノネコ)駆除の計画を立て直してほしい」と話した。協議会は、来週会合を開いて要請内容を検討し、来月5日までに回答したいとしている。
2018年9月18日 KYT鹿児島読売テレビ