急病の猫や犬、慌ただしく 動物救急センターに密着 | トピックス

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2018年03月14日 17時00分  京都新聞

 

急病の猫や犬、慌ただしく 動物救急センターに密着

急病の猫や犬、慌ただしく 動物救急センターに密着

 

 

 京都夜間動物救急センター(京都市南区)が開設して今年で3年目を迎えようとしている。ある夜の診察の様子を追った。

 

 【午後9時10分】 診察時間前の院内に電話の着信音が響いた。種類、症状、病歴、年齢などを動物看護師が落ち着いた声で飼い主に問う。「初めて診るから、詳しく聞かないと処置の準備ができない」。猫の足が腫れているという。

 

 【9・25】 自宅でけいれんしたというシバイヌが来院。医師は治療を終えるとすぐに昼の医師に引き継ぐカルテを書き始めた。

 

 【9・30】 診療開始直後に飛び込みで猫が訪れ、電話も相次いで3本鳴る。週末や盆、正月などは件数が多いという。

 

 【10・00ごろ】 先ほどの足の腫れた猫がケージに入り訪れた。面倒を見る伏見区の中嶋裕二さん(66)は、「野良猫でね。2週間前にけがで手術したんだよ」。医師は猫に優しく声を掛けながら処置した。中嶋さんは、「『あまちゃん』って呼んでるんや。安心して眠れるわ」。

 

 【0・15】 26キロもある「ケヅメリクガメ」が台車に乗ってきた。右前足の爪がとれ出血していた。カメは珍しく、これまでで3例目という。

 

 【2・00】 診察時間を終えた。1日平均5件が訪れ、この日は9件だった。

 

 電話をしてから来院するルールで、状況によっては自宅で様子を見てもらうこともあるそうだ。三木無量院長(31)は「すべての症状に対処できているわけじゃない。輸血など治療の幅を広げたい」と語る。インターネットで調べて来院した飼い主も多く、市獣医師会は「より市民へ周知したい」と話す。1日の診察数はまだ余力があるという。

 

 症状が悪い大切な「家族」と過ごす不安を和らげるという点で、飼い主などヒトの心にとって必要性は大きいと感じた。

 

■京都夜間動物救急センター

 市獣医師会が、2015年に市と府が南区の上鳥羽公園に動物愛護センターを設立したのに合わせて開設。医療器具を寄付し、運営も行っている。医師と看護師の計6人が交代で勤務する。電話075(693)9912。