2017/12/20 22:06 山陽新聞digital

JR岡山駅の新幹線ホームから線路に小型犬が侵入し、新幹線が2度にわたり運転を見合わせた19日のトラブル。山陽新幹線は20日の始発から平常運転に戻ったものの、犬は同日夕時点で依然見つかっていない。ペットの小動物が線路内に逃げ出した事例は「記憶にない」(JR西日本、東海)というが、いったん侵入すると捕獲するのは難しい。年末年始の混雑期を控え、JR西は改めてペットを同伴する場合のルールの周知に努めるとしている。
JR西新幹線管理本部によると、19日深夜から20日未明、安全点検に合わせて犬を捜索。発見には至らず、車両と接触した形跡がないことから、線路外へ出た可能性もあるという。
新幹線の動物にまつわるトラブルとしては、ペットかどうかは不明だが、持ち込みが禁止されているヘビが車内で見つかる騒動が過去にあった。
JRグループの規則では、新幹線、在来線とも犬や猫、ハトなどのペットは「手回り品」の切符(280円)を買えば車内へ持ち込める。ただしキャリーケース(長さ70センチ以内、縦・横・高さの合計90センチ程度)に入れる必要があり、今回逃げ出した犬も女性客がキャリーケースで運んでいた。
こうしたルールについて、JR各社はホームページや時刻表に詳細を掲載している。JR西は「手回り品の取り扱いについて改めて周知し、安全輸送のためにも管理をお願いしたい」とした上で「万一ペットが線路に入っても絶対に追い掛けず、係員に知らせてほしい」と呼び掛ける。
トラブルは19日夕に発生。キャリーケースから出た小型犬が線路に降り、東方向へ走り去った。その後、岡山駅東約4キロの線路上で目撃されたが、再び行方が分からなくなった。この影響で山陽新幹線が最大1時間20分遅れた。