2017年11月25日 17時20分 YOMIURI ONLINE
奈良市の近鉄大和西大寺駅周辺で、野良猫の死骸が相次いで見つかり、奈良西署が動物愛護法違反(愛護動物の殺傷)の疑いで捜査していることが同署への取材でわかった。
約5か月間で少なくとも10匹が不審な死に方をしており、中には人為的とみられるケースも。近隣住民は「飼い猫が被害に遭うのでは」「事件がエスカレートしないか」と不安を募らせている。
同署などによると、7月上旬、同駅北側の駐車場で、頭から血を流して死んでいる子猫を通りがかりの女性が発見。8月にも1匹が近くで死んでいた。9月1日早朝には、公園内で腹を切られた状態で猫が死んでいた。発見した主婦(79)は「事故で死んだのではないと一目見てわかった。ひどい」と憤った。
さらに同月、3匹の死骸が見つかり、10月には3匹、今月にも1匹の死骸の発見が相次ぎ、同署が把握しているだけで10匹に上る。
被害は、同駅の半径約200メートル以内で発生しており、駅に近い公園周辺に集中していた。死骸は人目につくような場所に放置されていたが、現場には目立った血痕はなかった。
同署幹部は「ここまで相次ぐと人為的に行われたと考えざるを得ない」とし、動物愛護法違反の疑いもあるとみて、捜査している。同署は夜間を中心にパトロールの回数を増やしている。
一方、住民らは独自に「子供、犬の散歩に注意!」「飼い猫は室内で!」などと注意を呼び掛けるチラシを作成し、自治会の回覧板で周知した。ポスターで注意も呼び掛けている。
近所で猫を飼っている男性(56)は「猫をなるべく外に出さないようにしている。重大な事件に発展するかもしれないので心配だ。警察は早く犯人を捜して、解決してほしい」と話した。
同署は「不審な死に方をしている猫を見つけたらすぐに通報し、併せて不審者の情報も寄せてほしい」としている。問い合わせは同署(0742・49・0110)。(鈴木彪将)