介助犬のこと教えて 金沢の児童 自由研究に | トピックス

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2017年10月4日  中日新聞 CHUNICHI Web

 

介助犬の自由研究をした青木彩葉さん(右)と母千晴さん=石川県野々市市で

 

 

 

 介助犬のことを知りたい-。金沢市緑小学校六年の青木彩葉さんがこの夏休みの自由研究で、同市の介助犬利用者平野友明さん(49)と介助犬タフィー(ラブラドルレトリバーの雌、八歳)を訪ね、生活の様子などを質問した。研究を通じ、周りの人にも介助犬のことを知ってもらいたいとの思いを持った。(山内晴信)

 

質問50件、理解浸透願う

 

 

 「介助犬はどんな事をしてくれますか?」

 「タフィーちゃんのトイレは、どうしてますか?」

 

 A4判六十ページにまとめた冊子には、平野さんに尋ねた五十の質問とその回答を載せた。一ページにつき一問一答。「とにかく聞きたいことを書き出して準備した」と青木さん。質問は三時間にも及んだ。

 

 タフィーのおかげで平野さんがゆっくり入浴できるようになったことや、外出の準備時間が大幅に短くなったことなどが分かり、まとめた。写真や新聞記事のコピーを貼り、大事だと思う部分にはオレンジや赤、水色の線を引いた。

 

 平野さんは二〇〇九年に仕事中の事故で手足が不自由になり、電動車いすでの生活を送る。一二年からは石川県内唯一の介助犬タフィーと生活する。研究には、青木さんの質問に「自由研究でとりあげてくれる小学生がいますように」と願い「たっせいできると思ってうれしかった」と回答したことも記してある。

 

 幼いころから犬が大好きだったという青木さん。母の千晴さん(42)と平野さんが知り合いだったことから今回の研究をした。

 

 その結果、介助犬を持つことで障害者やその家族が明るく、前向きに過ごせるようになると考えるようになった。「介助犬のことをもっといろんな人に知ってもらい理解してもらうことで介助犬とともに生活しやすい世の中になってもらいたいと思いました」と研究を締めくくった。

 内容を発表すると同級生からは「すごいね」と褒められた。学校に冊子を見に来た平野さんは涙を流して喜んでくれた。

 

 研究をきっかけに新たな交流も始まっている。平野さんが配る補助犬紹介のリーフレットを千晴さんが営む障害者の就労支援施設で折るようになった。利用者が介助犬を知ることにつながる。「娘の研究を通じて自分も良い経験ができた」。千晴さんはそう話し、誇らしげに長女を見つめた。

 

 介助犬 身体障害者補助犬法で盲導犬や聴導犬とともに「補助犬」とされる。訓練事業者によるトレーニングを受けて国が指定する法人が認定する。物を拾って渡したり、扉を開けたりと障害者の身の回りの世話をする。