犬にあさりを食べさせる時は注意が必要 生の状態の危険性などを解説 | トピックス

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2017.08.01  ペトこと

 

 

犬にあさりを食べさせることについては賛否両論あります。あさりには肝機能をサポートするタウリンなど、犬にとってもよい影響のある成分を含んでいます。一方で、あさりを含むシジミやホタテなどの貝類は、犬の消化機能では十分に消化することができません。そのため消化不良による下痢嘔吐を引き起こしてしまう可能性があるのです。

 

犬はあさりを食べてもいいの?

 

あさりは与え方によりますが犬に食べさせても大丈夫です。しかし犬はもともと魚介系の消化は得意ではありません。あさりには肝機能をサポートする成分もありますし、手に入りやすい食材の一つです。しかしあさりを含む貝類の中には犬に悪影響を及ぼす種類もあるので注意が必要です。

 

加熱処理をしていない生の貝や魚などの魚介類や、エビなどの甲殻類にはビタミンB1を分解する酵素を含有しているため、犬や猫に与えてしまうとビタミンB1欠乏症になってしまいます。あさりを食べさせる時は必ず加熱をするようにしましょう。

 

あさりの成分

 

あさりにはアミノ酸の一種であるタウリンが豊富に含まれています。タウリンはコレストロール値を低下させ肝機能を強化する働きがあります。またビタミンB12は貧血対策に有効で、その他にも抗酸化作用のある成分や糖尿病対策にも役立つ成分なども含まれています。

栄養が豊富なあさりですが、生のままだとビタミンB1を分解してしまう酵素がビタミンB1欠乏症を発症させてしまう恐れがあることをしっかりと認識しておきましょう。

 

貝の種類によって食べてもよい貝、ダメな貝がある

 

貝類にはあさりの他にもお刺身などで人気のホタテ、シジミ、ツブ貝、赤貝、アワビ、トリガイなどがあります。あさり、シジミ、ホタテはその中でも犬が食べても大丈夫なものとされていて、犬用のおやつやレシピの材料として紹介されていることもあります。

 

しかしツブ貝、赤貝、アワビ、トリガイなどは毒性のある成分を持っていたり、中毒症状を引き起こす可能性があったりします。犬に与えてよい種類はしっかりと確認し、「あさりを食べられるんだから貝類は与えてOKなんだろう」という誤解をしないように気をつけましょう。

 

 

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あさりを食べさせる懸念点

 

あさりは栄養面を考慮すると犬にも与えてみたい食べ物の一つですが、魚介類を消化するのが苦手な犬にとっては胃腸の負担になりやすく、消化不良により下痢嘔吐を引き起こしてしまう可能性があります。

 

消化不良による下痢や嘔吐

 

犬は雑食動物ですが魚介類を食する習慣はあまりないので、あさりを含む魚や貝などをうまく消化できません。あさりはそこまで大きな貝ではありませんが、小型犬と大型犬ではあさり一個から得る影響の大きさには差があります。消化不良による下痢嘔吐を引き起こしてしまうと体力の低下にもつながってしまいます。

 

そのため与える際は小さく刻んであげるとよいでしょう。また、犬用であさりのおやつなどもありますが、消化に悪いことに変わりはありません。初めて食べさせる時は少量からスタートし、食べた後は様子を見ておくようにしましょう。

 

 

貝殻の誤飲

 

あさりは貝殻つきで調理することも多い種類です。料理中に落としてしまったり、目を離した隙に犬が食べてしまったりするハプニングはどのご家庭でもあると思います。あさりは食べられる実の部分だけでも消化に時間がかかってしまいます。貝殻も食べてしまった場合は犬から目を離さないようにし、様子を見て獣医さんに相談するようにしましょう。

 

生のあさりはダメ

 

あさりを含む生の貝にはビタミンB1を分解してしまう酵素が含まれています。加熱することによって酵素を破壊することができますが、もし生のまま食べてしまった場合はビタミンB1欠乏症になってしまう恐れがあります。食べさせる機会があったら必ず火を通したものを与えるようにしましょう。

 

ビタミンB1欠乏症

 

ビタミンB1欠乏症とは犬の体内でビタミンB1(チアミン)が欠乏してしまうことにより、食欲不振や嘔吐、歩行困難な症状が出てしまう状態です。人間にとっての脚気を指します。ビタミンB1は炭水化物をエネルギーに変換する時に必要な栄養素の一つです。ビタミンB1欠乏症は重症化してしまうと脳や神経に障害が発生し、歩行困難になったり、瞳孔散大になってしまったりしてしまいます。最悪の場合は昏睡状態になってしまうこともあります。

 

欠乏症が認められる場合はビタミンB1(チアミン)の投与と食事の見直しなどを行うことで回復させます。ビタミンB1欠乏症は適切な治療が大切です。

 

  • 体力、気力の低下
  • 嘔吐
  • 発育障害
  • 瞳孔が開いている
  • フラフラとしている
  • 昏睡

 

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犬用のあさりレシピ

あさりは犬用のレシピの材料としても人気があるようです。レシピを参考にする際に以下の点を守っていただければと思います。

  • しっかりと加熱する
  • なるべく小さめに切る
  • 貝殻は取る

わんわんシェフ見習い中

 

あさりを与えるのは注意が必要

犬はあさりなどの魚介類を上手に消化することができません。栄養素は確かにありますが、「どうしても犬に与えたい!」というものではありません。しかしレシピのレパートリーもたくさんある食材でもあるので、食べさせる場合は犬の体質をしっかりと確認してから、注意事項を守り与えるようにしましょう。