08月01日 00:00 毎日新聞
<九州北部豪雨>被災ペット預かり、支援広がる 「命つなぐため決断を」 県内の関係者ら、利用を呼び掛け /福岡
九州北部豪雨で飼い主が被災し、行き場を失った犬や猫を無償で一時的に預かる支援の輪が広がっている。猛暑の中、長期化する避難生活ではペットの命の危険が深刻だとして、NPOやボランティアの関係者らは一時預かりの積極的な利用を呼び掛けている。【末永麻裕】
筑紫野市のNPO「セブンデイズ」(092・918・7712)は犬35匹(猫も相談に応じる)の収容場所を確保し、犬と猫計10匹を受け入れている。スタッフらは危険な場所に取り残された犬の保護や避難所で屋根のない場所につながれた犬の預かりのために奔走している。しかし「ペットと離れたくない」などの理由で希望しない人も多く、代表の上村光康さん(61)は「命をつなぐために安心して預ける決断をしてほしい」と話す。
環境省は、災害時はペットと一緒に安全な場所に避難する「同行避難」を原則としているが、上村さんによると、避難所にはペットの場所は確保されておらず、自宅に戻った飼い主から炎天下で頻死(ひんし)の状態の犬を預かったケースもあった。「災害時には必ずペットとの避難が問題になるが、教訓が生かされていない。行政は平常時からペットの避難場所について考えて」と訴える。
筑前町のドッグトレーナーらは「朝倉ペット緊急支援ネットワーク」(090・4996・4920)を組織し、動物病院やペットサロンの協力を得て犬30匹と猫10匹を預かる環境を整えた。家が流されたり、仮住まいがペット禁止だったりの理由から利用する人がいる。代表の松崎博美さん(44)は「遠慮して危険な場所や車中泊で我慢している人も多い。1日から預かれるので、飼い主とペット双方のためにも気軽に連絡してほしい」。
県獣医師会(092・751・4749)も加盟する動物病院で預かりを実施中だ。27病院で犬48匹、猫46匹の受け入れ場所を確保。期間は1週間で、長期化する場合は相談に応じる。
〔福岡都市圏版〕