2017.7.31 09:03更新 産経ニュース
犬のしつけを顧客(右)に指導する「犬はともだち」の川添千絵社長=横浜市中区
■大切なのは「強いリーダー」
むやみに人をかんだり、ほえたりする犬の行動を改善させるためのトレーニングを手掛ける。犬を直接しつけるのではなく、自らは飼い主を指導する。これまでに千件以上に関わってきた。
飼い主に対しては、犬に「強いリーダー」と認識させるため、どのような態度を示すべきかに主眼を置く。「常に上位者であると示し続けることが重要で、頼れるリーダーがそばにいることで犬も安心する」
例えば散歩の際、飼い主が犬の後を追うのではなく、あくまで自らがリードする。犬が勝手な方向に向かおうとしても、つないだひもを引いたり強く声をかけたりして、行き先に導く。
「犬は外敵に対抗できる群れを維持することを最優先する。そのために強いリーダーが必要と考える」と話す。飼い主が弱く見えると、自分がリーダー役になろうとして、家族にもかみつくなどの行動を起こす。
犬の鳴き声をめぐり、周辺の住民とトラブルになる飼い主もいる。顧客からは、手に負えずに手放すことも考えていたところ「訓練を続けたことで落ち着くようになり、留守にしても心配がなくなった」との声が寄せられた。
通常の訓練は3カ月程度だ。「9割ほどの犬はすぐにおとなしくなるが、本題はそこから。しばらくすると犬はあの手この手で飼い主を試す」
オーストラリアの大学に進学、現地で結婚し犬を飼ったが行動に悩まされた。利用した指導団体の方法が気に入り、帰国後、自ら事業展開した。
「ストレスでいっぱいだった飼い主の顔が、やさしくなるのを見るのがうれしい」
オーストラリア・グリフィス大卒。平成15年に「犬はともだち」設立。54歳。