犬がヒアリに刺されたら〜どんな症状を起こすの、どう対処したらいいの? | トピックス

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2017.06.21  the WOOF

 

日本で初侵入が確認された特定外来生物ヒアリ。犬の生活への影響には、どんなものがあるのでしょうか。

ヒアリが国内で初確認された

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えー!来ないで〜! image by M Dreibelbis / Flickr

 

 

兵庫県尼崎市において、貨物船内のコンテナからアリのコロニーが発見されました。専門機関による種の同定の結果、発見されたアリは特定外来生物ヒアリ(Solenopsis invicta)と確認されています。

 

これが国内初確認となるヒアリは、攻撃性が強く脅威を感じると集団で攻撃をするアリです。人間が刺された場合、体質によってはアナフィラキー・ショックを起こす恐れがあります。環境省は、今回発見された個体は全て消毒処分されたこと、また現時点では、ヒアリが日本の当該地域周辺に定着し繁殖している可能性は低いと考えられる旨を発表しています。

 

ということで現在のところは、犬がヒアリに噛まれることを過度に心配する必要はありません。心配すべきはノミ・ダニ・蚊であることに変わりはないということです。しかし、「刺されたらどうなっちゃうの?」という点は、ちょっと気になりますよね。

 

どうなっちゃうのでしょう?まずは「ヒアリとはなんぞや?」というところからお話します。

 

ヒアリとはなんぞや?

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アリさんだ! image by Ma1974 / Flickr

 

 

ヒアリ(学名:Solenopsis invicta)は特定外来生物に指定されたアリ。体長2.5mm〜6mm、体色は赤褐色(腹部が暗色)で、お尻に毒針があります。草地などの比較的開けた環境に生息し、ドーム状のアリ塚を作ります。

 

ヒアリは攻撃性が高く、脅かされると毒針で刺して毒を注入します。ヒアリの毒にはソレノプシンのほか、ハチ毒の共通成分であるホスホリパーやヒアルロニダーゼなどが含まれます。このため、ヒアリに刺された経験がなくても、蜂に刺された経験のある人は注意しなければなりません。刺されると火傷のような激しい痛みが生じ、人によっては呼吸障害、意識障害、血圧低下を起こします。最悪の場合、死に至ることもあるそうです。

 

ヒアリの特徴として挙げられるのが、ドーム状のアリ塚(巣)です。農耕地や公園などの開けた草地などに、直径25cmから60cm、高さ15cmから50cm程度を作ります。かなり大きなアリ塚ですから、好奇心ワンコを惹きつけそうですよね。肉球や脚先の他に、マズルやお腹が攻撃されやすい場所として挙げられます。

 

 

刺された時の犬の反応と対応

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かゆーい! image by Randy Levine / Flickr

 

 

 

 

ヒアリに刺された犬は、焼けるような痛みを感じた後、かゆみによる不快感を覚えます。これを解消するために犬たちは執拗に、地面を転がったり、震えたり、患部を舐めたり噛んだりします。擦り付けや舐めたり噛んだりといった行動が見られた時は、体に虫や異物、傷などがないかを確認しましょう。刺されたり噛まれたりしていたら、患部に赤みや腫れが見られるはずです。

 

攻撃したのがヒアリであれば、飼い主は直ちに犬を別の場所に移さなければなりません。ヒアリが危険に反応してシグナルを発し、仲間に攻撃を促すことがあるからです。移動しなければヒアリからの攻撃は続きます。

 

次にすべきは、ヒアリを取り除くことです。手袋やタオル、あるいは洋服の袖を巻きつけて(何もなければ素手で)、上の方から取り除きます。顔、脚、お腹を集中的に確認しましょう。水をかけて取り除くこうとするのは最悪の選択です。アリがパニックになりより強く噛んでしまうからです。

 

刺された場合の犬の反応は、軽度から重度まで様々です。軽い場合は、かゆみの軽減と感染症への対応で済みますが、アレルギーのある犬は重篤な症状を発現する場合があります。

 

軽度の場合、気をつけるべきは感染症です。かゆみを抑え、傷口を過度に舐めたり噛んだりする必要があります。かゆみを抑えにはベーキングパウダーと水のペーストを塗布する方法が有効です。これを塗布した上から包帯や靴下でカバーをし、舐めたり噛んだりを防ぎましょう。赤みが引かなかったり、24〜36時間が経過しても腫れが改善しない場合は、感染症が疑われます。傷は大きくならないと言われていますので、傷のサイズが大きくなっていたら問題です。

 

アレルギーのある犬は、刺されてから12時間以内に症状を発することがあります。顔面の腫れや呼吸困難、ふらつきなどが見られたらすぐに動物病院に連れて行くことが推奨されます。

 


今日は、「もしもヒアリに刺されたら」というテーマでお届けしました。実際に出会うのは遠慮したいところですが、実際に出会ってしまい刺されてしまったら、環境省に連絡して動物病院に直行してください