ペトコト 2017.02.01
広島県の犬の殺処分ゼロ達成に貢献し、
湘南、世田谷に譲渡センターを設けるなど
全国に活動を広げるピースワンコ・
ジャパンですが、「不妊去勢手術を
必須にしていない団体」として一部で
批判の声もありました。
それを受けて2月1日(水)、ピースワンコは
公式サイトで「私たちの殺処分ゼロに
向けた取り組みについて」と題し、
同団体の不妊去勢手術に対する
考え方を公開しました。
まず猫については、「繁殖のコントロール
が難しいことから、不妊去勢を第一優先と
する判断をしています。
その上でこれまでも不妊去勢を施す
方針の他団体をサポートしてきました」と
説明しています。
※記事初出時、「サポートしてきた他団体」
がNPO法人「犬猫みなしご救援隊」である
ととれる「ピースワンコは広島において
『犬猫みなしご救援隊』と連携しており」と
いう記述がありましたが、同法人と
ピースワンコ・ジャパンの間には金銭面での
サポートや活動において、現在は
「連携している」と表現できる事実が無い
ことを同法人の中谷 百里代表に確認
いたしました。お詫びして訂正いたします。
(2017/02/07 16:00)
一方で犬については、「不妊去勢による
メリット・デメリットを生物学的、医学的
観点から総合的に検討した上で、シェルター
運営においてはコントロールによって繁殖を
制限することを優先しつつ、年齢や病気の
有無、性格などを考慮し、個体ごとに
不妊去勢すべきであると判断した場合には
行う」と説明。
不妊去勢を行わない方針なのではなく、
必要な場合にのみ行う方針だとしています。
実際に保護している雌犬が繁殖シーズンに
入った場合は隔離し、保護犬同士の繁殖は
一度も行われていないそうです。
ただ不妊去勢をしないで譲渡した場合、
「(譲渡後の)不妊去勢の実施については
里親様に判断を委ねています」と説明する
通り、繁殖制限の管理を行うのは里親です。
ピースワンコが不妊去勢手術を必須にして
いないことへの批判の多くは、「譲渡後に
繁殖が行われてしまい再び殺処分される
犬が増えてしまうのではないか」という懸念
からきています。これについて同団体は、
譲渡は繁殖制限管理ができる状況か
家庭訪問も含めて個別に確認しており、
「里親希望者様の理解と環境が十分で
ないと判断された場合には、譲渡は行わない」
としています。
なお譲渡する犬には必ずマイクロチップが
装着されます。
これまで批判の中には「ピースワンコは
不妊去勢手術をしない団体」という誤解に
よるものもあり、今回の見解によって一定の
理解は得られると考えられます。
しかし、譲渡後も里親のもとで継続的に
適切な繁殖制限管理が行われるかは
不確実な点が多く、本当に現在の方針で
「全国で犬や猫の殺処分が継続して
なくなる状況を実現する」ことが可能なのか
は不透明なままです。
引き続き懸念を払拭する情報公開が
望まれます。