sippo 12/25(日) 10:35配信
東京都でまた動物愛護法を巡って大きな動きがあった。悪い話と良い話が一つずつ。
悪い話から。多摩川の河川敷で、ホームレスの男性が犬の多頭飼育にまつわる問題を起こしている。男性は約20匹の犬を、狂犬病予防注射をしていないなど狂犬病予防法違反の状態で、かつ劣悪な虐待的環境で飼育。この男性に対して都は2015年4月から24回の巡回を行い、狂犬病予防法に基づく指導を13回行ったが、「課題解決に至らなかった」(原口直美・環境衛生事業推進担当課長)。
こうした状況を一部都議が問題視し、テレビなどが報道したこともあり、問題が顕在化。都はその後、11月に入って巡回する時間帯を変更して頻度を高め、指導人員も増強した。だが依然として「狂犬病予防注射を打ってもらっていない。より良い解決ができるようにしたい」(原口課長)と繰り返すのみだ。
ことが大きくなるまで有効な手を打たず、問題を実質的に放置し続けるのは、このコラムの第5回でも取り上げた昭島市のペット店への対応と酷似している。今回は、その後も根本的な解決策が提示できないのだからさらに深刻だ。
こうした状況に対して動物愛護団体などが主張するのは「緊急保護」の制度化だ。今回の多摩川の事例でいえば、所有権は男性に持たせたまま、動物福祉の観点から地方自治体などが一時的に犬を保護するという制度だ。都は今回の事例を「立法事実」とし、国に対して緊急保護の制度化を求めるべきだろう。しかし、原口課長は「考えていない」と腰が重い。
良い話。東京都といえば一方で、小池百合子氏が「殺処分ゼロ」を公約に掲げて都知事に当選した。その小池氏は知事として初めて臨んだ12月都議会で、動物愛護法の内容を大きく前進させる可能性がある方針を明らかにした。
こうした状況を一部都議が問題視し、テレビなどが報道したこともあり、問題が顕在化。都はその後、11月に入って巡回する時間帯を変更して頻度を高め、指導人員も増強した。だが依然として「狂犬病予防注射を打ってもらっていない。より良い解決ができるようにしたい」(原口課長)と繰り返すのみだ。
ことが大きくなるまで有効な手を打たず、問題を実質的に放置し続けるのは、このコラムの第5回でも取り上げた昭島市のペット店への対応と酷似している。今回は、その後も根本的な解決策が提示できないのだからさらに深刻だ。
こうした状況に対して動物愛護団体などが主張するのは「緊急保護」の制度化だ。今回の多摩川の事例でいえば、所有権は男性に持たせたまま、動物福祉の観点から地方自治体などが一時的に犬を保護するという制度だ。都は今回の事例を「立法事実」とし、国に対して緊急保護の制度化を求めるべきだろう。しかし、原口課長は「考えていない」と腰が重い。
良い話。東京都といえば一方で、小池百合子氏が「殺処分ゼロ」を公約に掲げて都知事に当選した。その小池氏は知事として初めて臨んだ12月都議会で、動物愛護法の内容を大きく前進させる可能性がある方針を明らかにした。