■自身の万一に備えて、86.3%がペットの預け先・相談先として親族を想定
「自身に万一の時があった場合に備えて、ペットの預け先等を想定しているか」という質問に対して、約7割が想定先があると回答した。相談先・預け先として、家族や親族以外に、「かかりつけの動物病院・トリマー」(14.6%)、「愛護団体」(7.0%)、「行政機関」(3.1%)などが挙げられているもののその割合は少なく、セーフティネットの整備が行き届いていないことも浮き彫りになった。
■ペットを亡くした後、約半数が新しいペットを迎え入れることを希望
現在飼育しているペットが亡くなった場合、新しいペットを迎え入れるかどうか聞いたところ、「迎え入れる」という回答は21.7%だった。一方、「迎え入れたいが、迎え入れないだろう」という回答が26.6%あり、回答者の4人に1人はペットとの生活を望みながらも、実現に課題を感じているようだ。
■ペットを迎え入れない理由として、60代以上の78.2%が終生飼養への不安を挙げる
前問で、ペットを「迎え入れたいが、迎え入れないだろう」または「迎え入れたくない」と回答した人にその理由を聞いたところ、全体では、「自分の健康を考慮して、最期まで世話できるか分からない」という終生飼養への不安が69%と最も多くなった。同回答について、50代と60代以上で比較したところ、50代は51.4%である一方、60代以上の人は78.2%と終生飼養への不安は60代以上に顕著に見られた。
■飼育代行などのサポートやセーフティネットがあれば、ペットを迎え入れたいと考える人は55.3%
さらに、「迎え入れたいが、迎え入れないだろう」、「迎え入れない」と回答した人に「どのようなサービスがあれば迎え入れたいと考えるか」と聞いたところ、55.3%が経済的な支援や飼育代行サービス等があればペットを迎え入れたいと思うと回答した。そのうち、「飼育が不可能な場合に次のオーナーを探すサービス」(71.1%)が最も多く、次いで「経済的な支援・補助金」(35.5%)が挙げられている。飼育代行などのサポートの有無が、新しいペットを迎え入れることに大きな影響を与えることが判明した。
■飼育代行などの支援サービス、認知率は4~5割、さらに利用率は6%以下
「老犬・老猫ホーム」や「ペットシッター」等の飼育代行サービスの認知率と使用経験を聞いたところ、サービス自体を知らない人はそれぞれの項目につき、40%以上を占めた。また、「知っているが、利用したことがない」との回答も40%以上を占め、利用したことがある人は6%以下だった。近年、ペットの飼育をサポートする数々のサービスが提供され始めているが、ペット飼育者の認知度は未だ低いことが判明した。今後さらに進む高齢化社会において、高齢者がペットと豊かな生活を送るためには家族や周囲のサポートと合わせて、飼育代行などの支援サービスが益々重要になってくる。
【調査概要】
調査対象:全国の50歳以上の犬猫飼育者
調査人数:534名
調査方法:インターネットによるアンケート(複数回答可)を実施
調査期間:2016年8月25日
文/編集部