2016年11月4日 10時19分
米農務省は、実験動物のサルを
適切に扱わず死なせたなどとして、
医薬品開発用の実験などを手がける
「新日本科学(SNBL)」の
米国法人に対し、動物福祉法違反の
疑いで罰金などの処分を科す
行政審理手続きに入ったことを
明らかにした。
米メディアによると、SNBLは
2011~16年に、実験用のサルを
最低限の基準を満たさない条件で
飼うなどして計38匹を死なせた
疑いがある。13年にカンボジアから
米国に840匹のサルを輸入した
際には、脱水症状などで弱ったサルに
適切な処置をせず、結果として
25匹が死んだ。また、今年5月にも
技能の未熟な担当者が肝生検を
試みて6匹を死なせるなど、
30件近い不正や問題点を
指摘している。
国際動物保護団体「PETA」は
「能力不足と無配慮のせいで多くの
サルが殺された」として、同社施設の
閉鎖などを求める声明を発表した。
(ワシントン=小林哲)