【狂犬病】ギネス認定のもっとも致死率が高い病気 その恐るべき伝染病の実態 | トピックス

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2016年09月29日 11時30分 Doctors Me

2016年9月11日(日)タイ国内で犬に
咬まれた人が狂犬病にかかり、
死亡した例が2016年1月1日~8月7日の
期間に合計で7件発生したことを伝える
ニュースがありました。

農林水産省の発表によると、2013年7月の
時点で狂犬病がない清浄国・地域は日本を
含め7カ国とごく限られており、世界中の
多くの国でいまだに狂犬病は普通に存在し
続けている伝染病で、このニュースからも
その状況が伝わります。

今回は発症すると死にいたる危険な感染症
「狂犬病」について、医師に解説をして
いただきました。

狂犬病とは
狂犬病ウイルスが原因で起こり、
潜伏期間を経て重い神経症状を
発症する感染症です。

人、犬、猫も含めたすべての哺乳類で
感染、発症する可能性があり、
発症するとほぼ100%死に至る非常に
危険な病気です。

日本では「家畜伝染病予防法」および
「狂犬病予防法」の2つの法律で管理し、
その甲斐あって日本では1957年に根絶に
成功していますが、現在でも世界の
大多数の国で流行しているため今後も
警戒が必要です。

狂犬病の感染経路
主に狂犬病ウイルスに感染した動物に
咬まれることで感染します。

感染動物の唾液中に狂犬病ウイルスが
排出されるので、咬まれることで体内に
取り込まれてしまうためです。

狂犬病の症状

前駆期

・挙動異常(暗所に隠れる、ソワソワと
落ち着きがなくなる、情緒不安定)

・食欲不振


急性期 (初期・発症後数日)

・反射機能の亢進

・震え

・ヨダレを垂らす

・顔つきが険悪になる

・攻撃的に興奮状態になる

・恐水状態


末期

・栄養失調

・脱水

・意識不明になり全身麻痺が起こる

恐水状態で水を恐れるのはなぜ?

狂犬病ウイルスの感染により喉に麻痺が
起こって飲み込みが困難になり、また
強い痛みを生じると言われています。

水を飲ませようとしてもこれらが原因と
なって水を吐き出してしまう、あるいは
苦痛なために忌避する行動から
「恐水症状」と呼ばれています。

狂犬病は医療機関でどのような治療が
施される?

発症前の潜伏期であれば、狂犬病の
ワクチンを接種することで、体内に
狂犬病ウイルスに対する抗体をつける
治療を行います(暴露後免疫)。

なお狂犬病に感染したかどうかは
発症前には診断できないため、
狂犬病汚染地域で犬などの動物に咬まれた
場合には傷口を水と石鹸で洗い、
医療機関で狂犬病ワクチンの接種を
受ける必要があります。

また、発症したら治療法がありません。

日本で狂犬病に感染するリスク

日本では1957年に狂犬病の撲滅に
成功しており、以後国内での発生例は
ありません。

このため現在国内で犬に咬まれた
場合にも狂犬病の心配はありません。

医師からのアドバイス

日本は狂犬病の清浄国ですが、
世界レベルでは大多数の国と地域で
今も流行している恐ろしい感染症です。

感染源として犬が重要であるため、
日本では野犬がいないように管理
したり、検疫を厳密に行ったりして、
清浄国でありつづけるための努力が
今も行われています。

また飼い犬での年1回の狂犬病ワクチンが
法律で義務付けられていますが、
これは集団で免疫を持つことで万が一
狂犬病が入り込んだとしても拡大しなく
なるため、人も動物も守るためのとても
重要な決まりごとなのです。

海外に行ったら野犬などの動物に
触らない、飼い犬には狂犬病ワクチンを
接種するという2点を必ず守るように
しましょう。

(監修:Doctors Me 医師)