保護犬の里親になりたいと思った時に
一番の難関である、譲渡条件のクリア。
最近里親になりたいという人が増える
一方で、なかなか譲渡に至らない、
「厳しすぎる条件」の問題があります。
保護犬を家族にしたいと思ったら

犬を家族に迎え入れたいと考えたときに、
主なお迎えルートは3つあります。
ペットショップから迎える
ブリーダーから迎える
里親になる
多くはこの3つのうちのどれかから
ワンちゃんを家族に迎え入れると
思います。
しかし、近年パピーミルが問題に
なり摘発される事件や、ペットショップの
売れ残り問題など、ペットをお迎えする
方法についての考え方が変わってきました。
保護犬を家族に迎えるためのイベントも
多く取り上げられ、実際に迎え入れた
心優しい家族の話題も目立ちます。
ですが、残念なことにそんな心優しい家族
たちが悲しい思いをしていること、
皆さんはどれだけ知っていますか?
厳しすぎる里親になるための条件

里親になるためには多かれ少なかれ
クリアしなくてはならない条件が
あります。
ペットショップでお迎えするときも、
住所、名前、電話番号の必要最低限の
個人情報開示と、「一生大切に家で
飼います」といった内容の書類にサイン
するなどの条件があるのですが、里親に
なるための条件はこんな簡単なもので
はありません。
※これからご説明する項目は、必ずしも
全ての里親団体に当てはまる条件では
ありません。里親に応募する際は必ず
事前に里親団体等に条件を確認しましょう。
これに当てはまったらまずムリ!NG項目

単身、男性、学生、未婚のカップル、
固定電話無し、フリーメールでの
お問い合わせ、8時間以上の留守、
60歳以上、飼育経験無し、賃貸住み
(ペット可でも)、子持ち
クリアした上で里親が義務付けられること
世帯主の源泉徴収票(or預金残高証明)、
勤務先の連絡先(会社に団体から電話確認)、
顔写真、身分証明証のコピー、不動産登記、
予防接種と去勢避妊証明、毎週の成長報告、
寄付、治療費、アポなし自宅訪問、
アポあり複数人で自宅調査、エサ指定
まず、これをクリアできる人がどれだけ
いるのでしょうか。
まるでカードの審査や家宅捜索のような
現状です。ましてや寄付を義務付ける
あたりはもう譲渡ではありません。
それぞれの項目には恐らくそれなりの
意味があるとは思いますが、世帯主の
源泉徴収票(or預金残高証明)に関して
言えば完全に個人情報ですし、アポなしで
自宅訪問なども常識ある社会人の行動
とは言えません。
こんな事がまかり通っていいのでしょうか?
また、飼育経験が無い飼い主さんは里親に
なれないとするなら、初めて犬を飼う時は
ペットショップやブリーダーから迎える
べきなのでしょうか?
※これらの条件はあくまで一部の保護団体の
条件であり、すべての保護団体がこの条件と
いうわけではありません。
心優しい家族が傷つけられる悲しいお話

大切な犬猫をきちんとした里親の元に届けて、
より良い暮らしができるようにサポートする
団体さんやボランティアさんにはとても頭が
下がる思いですが、残念なことにあっては
ならない事がたくさん起きているのです。
最初からものすごく突っかかるような
高圧的な態度で話す
突然連絡が取れなくなったり、訳も話さず
譲渡はできない。など社会人としておかしな
言動がある
プライバシーや人権を侵害するような言動
嫌味、威嚇、失礼なもの言い
譲渡会が終始ピリピリした雰囲気
(犬達も不安がっている)
とても悲しい事ですが全て実際にあった事です。
もう二度と保護犬に悲しい思いをさせない
ためとは言え、犬を迎えに行った人が
こんな扱いを受けて傷つく事は、とても
許される事ではありません。
しかしこうなってしまったのにはいくつかの
訳があります。
里親放棄
里親になる人が増えた反面、里親になった
後に犬を返しにくる人も増えたそうです。
すでに一度悲しい経験をした保護犬が更に
また捨てられてしまうということがない
ように、条件がより厳しくなっていきました。
里親詐欺
里親に応募し、引き取った動物を虐待する
ような信じられない事件があってから、
動物の譲渡はさらに変わっていきました。
それを防止するために条件などが設けられ、
行き過ぎた例が今回のような事態に
発展しました。
これでは動物は助からない

この厳しすぎる条件をクリアできる
心優しい家族がどれだけいると思いますか?
私は人に気持ちよく接する事のできない
ような人に、動物はまず救えないと考えます。
そして、粗暴な態度は犬にも伝わります。
そんな人達に保護されているワンちゃん、
幸せになれると思いますか?
辛いですが、里親になれる人がどんどん
いなくなり、なかなか明るい道へと
歩めないワンちゃんがたくさんいること、
それは紛れもない事実なのです。
保護犬に対して責任があるからこそ、
厳しい条件や態度を取っているのかも
しれませんが、譲渡会の本当の意味は
引き取られた先でわんちゃんと里親の
家族が幸せに暮らせるように考えること
だと思います。
しかし、全てがこのような悲しい団体
ばかりではありません。
もし仮に譲渡会で嫌な思いをされた方も、
そこで諦めずに違う譲渡会にも行って
みてください。
本当に心ある団体さんもたくさん存在
しています。
せっかく里親という選択肢を選んだ人が、
保護会のイメージが悪かったせいで
ペットショップに行ってしまうような、
そんなことは決して起きてはならない
ことですし、そんなことでは保護される
わんちゃんは減っていかないと思います。