ペットに愛情、最後まで 熊野保健所が呼び掛け | トピックス

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CHUNICHI WEB 2016年6月8日


ペットの飼育放棄が社会問題となる中、
熊野保健所にも多くが殺処分となる
猫や犬が持ち込まれ、職員らを
悩ませている。職員は飼い主に
去勢、避妊手術を勧めるとともに
「最後まで愛情をかけて」と
呼び掛けている。

 熊野市と御浜、紀宝町を所管する
同保健所に二〇一五年度に収容した猫は
百七十四匹、犬は四十一匹。
それぞれ百五十四匹と二十三匹が
殺処分された。本年度も二カ月で
猫四十六匹、犬三十匹を収容している。



収容された子猫を抱く尾崎さん=熊野保健所で

 収容数自体は十年以上にわたって
減少傾向にはあるものの、人の都合で
動物の命が奪われている現実に変わりない。
離乳していない子猫は収容したその日の
うちに薬剤で安楽死となる。

 持ち込まれる理由はさまざまだが、
保健所衛生指導課技師で獣医師の
尾崎由佳さん(28)によると、
飼い主の入院や施設入所によることのほか、
「(犬が)年をとり世話が大変」
「出来が悪いので別の犬を飼う」
と言う人もいるという。尾崎さんは
「手放すなら殺処分されるところを
見てほしい」と貴重な命を実感するよう
訴える。

 一三年の動物愛護管理法改正で
飼い主には終生飼育が義務付けられ、
県は「殺処分ゼロ」を目標に据えた
県動物愛護管理推進計画を進めている。
同保健所では昨秋から譲渡活動を始め、
地元メディアに子猫の写真掲載を
依頼したり、市民の催しで写真展示する
などして大切に飼ってくれる人を探している。
現在も生後約二カ月の猫五匹を収容しており
引き取り先を募っている。
(問)同保健所=0597(85)2159

(福永保典)