「そばにいるから大丈夫」証言者を安心させ、心を癒す“裁判所犬”が活躍中:米国 | トピックス

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2015年08月29日 16時00分IROIROより

多くの人にとって、裁判所や
法廷はほとんど縁のない場所だ。

何らかの理由で建物の中に
入ることになれば、それだけで
緊張してしまう。




ましてや、事件に関する証言など
することになってしまったら…。

とても平常心ではいられないだろう。

アメリカでは、そんな証言者を
助けるための訓練を積んだ
“裁判所犬”が活躍している。




レイプや虐待など、
心の傷になるような事件に遭遇した
被害者、残虐な暴力や殺人を
目撃してしまった人たちは、
「証言」という形で事件を
追体験することになり、
事件が起きたときと同じような
生理的反応を見せるという。

裁判所犬の仕事は、
証言者の心を落ち着かせ、
安心して真実を語れるように
すること。

証言をするときや検事の尋問を
受けるとき、穏やかでリラックスした
表情の犬が足元で丸くなったり、
膝に頭をのせてくれたりするだけで、
証言者は「世の中に悪い人間は
いるけれど、ここは安全な場所」
という気持ちになれ、血圧が下がり、
不安が軽減される。

とくに幼い子どもや若い女性には
効果が大きいそうだ。




こののシステムを立ち上げ、
現在NPO〈Courthouse Dogs Foundation〉
として運営しているのは、
元検事のEllen O’Neill Stephensさんと、
獣医師のCeleste Walsenさん。

よく知られている「セラピー犬」は
比較的短期間のトレーニングでも
なれるが、裁判所犬は子犬のころから
少しずつ小さなストレスに
慣らしていく必要がある。

裁判所の床に長時間座っていられるように、
金属板の上にじっとしている訓練から
始め、最終的には法廷内の混沌とした、
緊迫した雰囲気のなかでも動じず、
常に穏やかに振る舞え、
証言者に安心感を与えられるように
なることが目標だ。

仕事ができるようになるまでに2年は
かかるらしい。

犬種でいうと、ラブラドール
レトリバーとゴールデンレトリバーが
最も多く、現在、28の州で87頭の
犬たちが活躍している。



このようなシステムが確立している
ということは、それだけ需要が
あるのだろう。

子どもや女性が犠牲になる事件が
増えつつある日本でも、
何らかの参考になるシステムと
言えるかもしれない。

出典元:Testifying in front of your attacker in court is terrifying. These dogs make it easier. - Upworthy(8/14)