写真・図版

多頭飼育の個人宅から施設に保護された犬。

右の犬は新たな飼い主が見つかった

=旭川市(ボランティア組織

          「あにまある支援隊」提供)

 飼えなくなったペットなどを引き取りつつ、

全国的にも珍しい犬の「殺処分ゼロ」を

続けている旭川市動物愛護センター

「あにまある」が、ピンチを迎えている。


市内の個人宅で劣悪な環境で飼われていた

50匹以上の犬を引き取ることになり、

収容能力を超えそうなためだ。


飼い主探しが急務になっている。



 センターなどによると、この家では数年前

から何匹もの犬がたびたび外に逃げ出し、

近隣住民から市に苦情が寄せられていた。


2月に市職員が立ち入ったところ、50匹

以上が不妊去勢手術も受けぬまま家の中に

おり、汚物がたまっていた。


野良犬を飼ううちに繁殖を繰り返し、手に

負えなくなったという。


 同センターが飼い主の了解を得て引き

取ることになり、これまでに29匹を収容。


うち19匹が動物愛護団体の協力もあって

新しい飼い主に預けられた。


だがこの家には雄を中心にまだ30匹ほど

がおり、気温が上がる夏場を前に大半を

引き取らざるを得ない状況だという。


同センターの犬の最大収容能力は28匹。

引き取り手が増えない限り殺処分を検討

しなければならない状況だ。



 センターは2012年の設立以来、

毎年130匹前後の犬を保護しているが、

殺処分はゼロを続けている。前身の

施設では年間50匹前後が殺処分されて

いた。


引き取りや呼びかけに協力している市内の

動物愛護団体「手と手の森」の

本田リエ代表(47)は「ゼロの実績を失うのは

残念でならない。市民の方々に関心を持って

もらえるだけでも助けになる」と話す

。問い合わせは同センター

(0166・25・5271)へ。