県は、ペットの適正飼育や動物愛護精神の醸成に努める県動物愛護管理推進計画を改定した。特に猫の殺処分数が毎年度2000匹を超え課題となっており、
10年後に半分に抑えるとする具体的な目標を掲げたのが特徴。連絡先を記した首輪の着用を呼び掛けるなど、関係機関と連携しながら対策を進める考えだ。
推進計画は2008年3月に策定。12年9月に動物愛護管理法が改正されたことなどを受け、今年3月に計画の方向性や目標を見直した。
県食品安全衛生課によると、計画を策定した08年度以降、県が飼い主から引き取ったり、所有者不明で保護した後に殺処分した猫は毎年度2千匹台で推移。
13年度は前年度より62匹増えて2297匹で、このほかに交通事故や病気により路上などで命を落とした猫は3513匹だったことから、合わせて5810
匹が死んでおり、1日当たり平均すると16匹になる計算だ。
殺処分した猫の傾向として、毎年度、所有者不明が全体の約7割を占めている。他の都道府県の統計と比較すると、12年度の2235匹は少ない方から数え
て全国で21番目で、最も多いのは大阪府で6413匹。一方、犬の殺処分数は10年以降減少し、12年度の93匹は全国で4番目に少ない数だった。
改定した推進計画では具体的な目標値として、犬と猫の殺処分数を12年度の50%以下とした。これら内容は先に開かれた県動物愛護管理推進会議で公表さ
れ、出席した関係機関の代表者が意見交換。今後は▽飼い主の情報を記録したマイクロチップや首輪の活用を促し、所有者不明の解消につなげる運動を展開▽飼
い主が引き渡す理由を詳細に分析する―などを強化することとした。県食品安全衛生課は「ペットを飼おうとする人に対し、動物を取り扱う業者から責任を持っ
た購入を勧めてもらい、市町村と連携して『首輪運動』を展開するなど連携して改善を図りたい」としている。