お魚くわえた野良猫 おおっかけて〜
カボミ
裸足で駆けてく 陽気なカボーミさん♪
破水で入院し夜間だった為、その日はそのまま眠りにつきました。
そして翌日看護師さんから
「自然に陣痛がくるのを待ちましょう。もし来なければ陣痛促進剤を使いましょう。」と言われました。
けれど待てども待てども陣痛はこず、、、
また夜に。
えっ、、、。
わいはどうなるんや？
お股ビチャビチャでこのまま寝るんか？
そして誰も来なくなり、また
おねんね。
うっうっ、、、涙
お股のビチャビチャが気になってうまく眠れない。
翌朝。
結局陣痛は起こらなかったので朝の9時から陣痛促進剤を使う事になりました。前日に促進剤を使うかもしれないと言う事は家族にも知らせていたので、当日なすフェイ（夫）とカボばぁ（母親）が来てくれました。
そしてこのクソカスなす野郎が、私の人生で忘れられない一生恨みたくなる事をします。
9時より点滴開始。
いよいよ出産か。緊張する。無事に出産を終えられますように。
初めこそ普通に会話ができていたものの、1時間程するとなんだか腹の様子がおかしい。私は生理痛がないけれど、わかる。これが重めの生理痛というものか。と。
看護師さんは容赦なく促進剤の量を増やしていく。
開始2時間後には悶絶。
やばい。ばいばいやー。
陣痛が来るたびに「ギィー」ってなる。
感覚的にはトラックにお腹を轢かれる感じ。とにかくトラックが私のお腹を轢きまくる。私のお腹の上で暴れているトラックをどうか道路交通法違反で取り締まってほしい。
はよ、はよ取り締まれ。こっちはもう一刻の猶予もない。痛すぎて取り乱しそうだ。
トラックに轢かれながら痛みに耐えていると、今度は両足を誰かが下に向かって引っ張ってくる。もうダメや。この病院は呪われている。誰かわいの足を引っ張る悪霊を退治してくれ。
ゔゔぅあああぁぁぁー‼︎
痛い痛い痛い‼︎
出産前は叫んだりすると後で恥ずかしい思いをするから気をつけようと思っていたが、ダメだ、声が漏れる、、、。
んああぁぁぁゔああぁぁー‼︎
こんなに苦しんでいる中、私はある事を目にする。
クソカスなす野郎がスマホをいじっている。そう何を隠そうコイツは命の次に携帯が大事。隙があればスマホをいじっている。
でもまだ望みはある。
もしかしたら愛するワイフが出産する事を家族や友人、職場などに連絡しているのかもしれない。
貞子のようにスマホを覗く。
オワてる。
モンスト（モンスターストライクというゲーム）をやっている。
救いようがないクズだ。
横にいる愛するワイフが痛みで苦しんでいるというのに、お前は何をしている。
私が無惨様でお前が鬼なら即刻切り刻む。（またこのくだり）
さらにコイツは貞子（カボミ）に携帯を覗かれた事に気づき、慌ててFacebookに切り替えた。
貴様。
今からお前に地獄をみせる。
「手握って‼︎」早口で伝える。
痛みに耐えている間、わいはベッド柵を必死に握っていた。よしこれでもう安心。
今から貴様の指をへし折る。
わいは手が小さく力も弱い。対等に戦っては勝ち目がない。ならば狙おう。小指を狙おう。
全集中
陣痛の呼吸
壱の型
ねじれ小指‼︎
（どこで使っとんねん。パロディみたいにすな）
私に今出来る事。
それは赤ちゃんを無事に産む事。
そして目の前で苦しむ人をサポートする事もせず、スマホに釘付けになっているコイツの小指を折る事。
ここからはもう陣痛の痛みよりもクソカスなす野郎の小指を折る事だけに集中していました。
出産後なすフェイは
「カボミが強く握るから小指にアザができちゃったよ〜。」と言った。
見ると小指の付け根に輪っか状のアザが。
アザを発現させられるのは選ばれし者だけ。しかしお前のアザにはなんの価値もない。命があっただけありがたく思え。
陣痛、出産の時のパートナーのサポートって本当に重要だと思います。
だいぶ忘れかけたけどそれでも根に持っています。
カボミファミリーの紹介でなすフェイは優しいと書きましたが、確かに優しいんです。でも私が妊娠、出産の時、ポテトが産まれたあとは本当にクソカスなす野郎でした。あまりにも酷くて離婚問題へと発展したくらいなんです。
でもなすも変わってくれました。
今は仲良くしています。