「時雨心地」なんて事を申しまして。
コレはLORO PIANA(ロロピアーナ)のDOWNTOWNと呼ばれるシリーズ。
ニュージーランド産のウールを太番手で織り込み経糸緯糸を双糸で仕上げる事で、
LORO PIANAでは珍しいドライタッチの英国調な生地に仕上がるんだそうです。
DOWNTOWNだったかはもうわからないですが、かつてコレと良く似たLORO PIANAの生地で紺ブレを作ってくださった方がいらっしゃいます。
年頃的には当時で40代くらいの方で、奥様とお出かけする為のジャケットだったらそうです。
もうすでに素敵です。
そんな鯔背な旦那さんなんですが奥様との出会いは中学生頃のお話。
当時はあんまり仲良く無かったそうです。
おっと青春漫画が始まった!と思いながら話を聞いて居た私ですが続きが気になります。
元はと言えば「奥様とのお出かけの為にジャケットを新調するとか素敵ですね!」と切り出した私がキッカケなので何も間違っちゃあいない。
仲良く無かったけど悪かった訳ではなく、クラスに居る人くらいの関係だったそうなんですが、
ある時たまたま喋る機会があったそうです。
珍しく部活が早く終わった日に、天気予報の俄雨を警戒しながら急いで帰って居たら、
電車に乗った時には土砂降りに変わって居たのだそうです。
傘差すのが面倒臭かったから持ってなかったし走って帰るか雨宿りするか迷ってて、
気がついたら隣に知ってる女子が居たそうです。
事情は一緒で雨宿りしてたらしい様子。
まともに話をしたのはその時が初めてだったそうですが、
と言うか地元が一緒なのも初めて知ったそうなんですが、どうやら持病があるとかで病院の帰りに遅くなったとかで、その時に初めてその娘の事情を知ったのだそうです。
それから何と無く気にかけてあげて居たらいつの間にか仲良くなってたそうで、今では夫婦となったとか。
本当に漫画みたいな話だった件について…。
「漫画みたいな話ですね…。」←マジで言っちゃう奴。
「私もそう思います。ww」
本当は年々進行する病気だったそうなんですが、何故か年々穏やかになっているらしく今でも大事無いとの事。
月に一度は一緒にお出かけするのがお決まりになって居て仲睦まじく過ごしているとの事。
1ヶ月後にはご夫婦でジャケットの受け取りにお越しになりました。
その日も雨が降った日で、さっきまで使ってたと思しき大きい傘を一本携えながらのご来店です。
お帰りになる後ろ姿も寄り添う様な感じで微笑ましかったのを覚えて居ます。
当時どんな具合で話をしたのかは分かりませんが長年経っても仲良しで居る程お喋りしたのでしょう。
その時の雨は天泣なのか遣らずの雨なのか、オーダーメイドを通した美しき思い出話でした。
若干カプ中気味な私も色々捗ります。
他人の美しき過去をネタの様に書くのにやや抵抗があったので当時は書きませんでしたが、
もう何年も前の話だし何より今ネタに乏しいので思い出した拍子に今回書いた感じです。
そう言う話をバックボーンにしたデザインとかするのも楽しそう…。
ちなみに写真の生地でジャケットを作ったら大体10万円くらいです。
今の話は本来全く関係ないのですがコレでLORO PIANAが気になった方は是非ともご来店ください。
それではまた次のブログでお会いしましょう。
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森井英之