台所にいます。

火曜日。午後2時前


ガラッ。ガラス戸を開ける父

ゾワッとする粉雪ガーンえー

な、なに?魔物め

父(90歳。たいていの人がパット見てお若いですねー!という。ガタイもいいし。だけど大脳スカスカ。アルツハイマー型認知症)

あ!また来た!

スツールに座っていたらまた来た!


父「今度の面会いつ?」(母の)

粉雪「あー、まだ決まっていませんよ。はいはい、お相撲やってますよー」


ターミナルケア施設から封書が来て面会は週に一度でもオッケーになりました、予約の電話も必要ないですと書いてあった

病状進行具合

開封したのは父。見たのも父

「なんて書いてあるかわからないから読んで」

と持ってきた

ほんとなんだ

文字として見てるだけで

文章を理解できないというのは


もちろん、本当のことは伝えない

毎日「おかーさんのところに行きたいおかーさんのところに行きたい」と言いかねない人だから

今まで通り月2回


子どもたちにアンパンマンを見せていたあの日から

あっという間に時が経ち

父に「はい、お相撲やってますよーほらほら」


おねがいおねがい