どしゃ降りの雨の日に行われた卒園式。

今年は年長さんのみで行われ、

保護者の人数も制限された中での実施。



何とも言えない空虚さを感じる保護者は

わたしだけではないと思います。



ちびこがリスペクトしてやまない

年長組のお友達の卒園式。



例年通りに行われていたのであれば

ちびこも楽しみにしただろう。


3歳児、4歳児クラスは 

一緒に歌を歌うから。




年長さんは

いちばん大きな部屋を使って

おもちゃの片付けパトロールを担当し

赤ちゃんクラスのみんなにも優しく

歌も踊りも劇も上手で

誕生日会の司会も務める

身体も大きなお兄さんお姉さん。




ちびこは保育園生活が長く

事務所のおもちゃの位置も把握する

ベテラン園児のひとりだ。


それゆえか、年長さんへの憧れが強い。




小さい子クラスの頃には

お昼寝で寝かしつけをしてくれ、

延長の時間も面倒をみてくれる

年長のお姉さん(現在は小学生)がおり

母子ともに助かっていた記憶がある。



彼女もちびこが好きと公言しており

ちびこもすごく懐いていた。



避難訓練のあと、消防車の前で

1〜2歳児に混じって

ちびこと手を繋いで写真に写りこむ

なんてことも

あっさりやってのけたお姉さん。



手足の長い、綺麗な子だったので

わたしもよく覚えている。




そんな時代から

母娘で見上げ続けてきたポジション。



あんなに背が高くなるの?

速く走れて、歌も踊りも上手くなるの?

面倒見が良くなるの?

お箸もはさみも上手になるの?




ちびちびで、ちょっと病弱で

ゆっくりさんなちびこが辿り着けるのか

不安になるくらいの眩しさ。



ちびこの通う保育園では

年長さんは代々輝きを放つ。




その準備期間の最初の一歩でもある

3歳児クラス(年少組)で過ごす時が

早くも終わろうとしている。



早い。

早すぎる。




愛嬌があって人見知りはしないが、

マイペースで、頑固で

ひとり遊びが好きなちびこ。



このコロナ禍の中で

両親ともにがっつり働いているので

おのれのことで手一杯感が半端なく

ちびこの成長を

じっくり見つめ続けられなかった。



今更ではあるが

はたしてちびこは大丈夫なのだろうか。




そうは言っても

教室が年長さんと同じ2階フロア。


感染拡大防止のため

教室どころか建物の入口にも入れない

母親のわたしの心配をよそに

ちびこはとても大きくなった。

身体も、心も。




特にわたしの仕事が忙しくなり

ちびこに協力を頼むようになってから

大人っぽくなった気がする。




やたらと大人の事情に首を突っ込み

突然、哲学的なことを言い出したり

爆弾発言を投下したり

長文を時系列で話し出したりする。

*詳細は後日。



最近のブームは

クラスの女子とのプリキュアごっこ。


YouTubeを活用して

予習復習を欠かさないという

気合いの入りよう。



誕生日会の日に寝坊してしまい

慌てて保育園までチャリを飛ばした時は

「○○(クラスの男の子)の誕生日なのに!」

と怒りだす。




最近ふと感じる、

心地よい新鮮な違和感。




ちびこが

あのちびこの口から (何扱い)


お友達の名前が出てきている



集団の一員として振る舞う姿を見ると

気持ちがくすぐったい。




部屋の電気の点灯に台はもう使わず

背伸びして、スイッチをぱちん。


昨年、8〜9分丈だった

お気に入りの茶色のパンツは

現在は膝下くらいの丈になった。



副園長の先生によると

一番ちびだったが最近はそうでもなく

できることが増えた生活を謳歌し、

誰かの面倒もみるようになったらしい。



ちびこは大きくなっていた。




わたしは今を生きるのに精一杯

社会面は保育園に育てて頂いているので

もう頭が上がらない。




しかし

最近久しぶりに発作を起こし

ネブライザーの世話になっている。


喘息は完治してはいないので

まだまだ油断できないだろう。



そして、未就学児らしく

遊んで、たくさん食べたあと

すぅすぅと寝ている顔は幼くて可愛い。



やっぱり守ってあげたいと思う気持ち。

だいぶお姉さんになったなと思う気持ち。


どちらもほんとう。



小さくも大きくも見える、

7月に5歳になる命のかたまり。



春を告げる眩しい陽の光が、

前を向く目の長いまつげを映えさせ、

ドヤ顔と笑顔のえくぼを際だてる。




わたしは前に進んでいるだろうか。

なんだかついて行けていない気がする。



仕事が終わると毎週抜け殻状態なので、

そこはもったいないなと思いつつ、

小児科のナースってこうなのかな?と

少しずつ感じ始めた今も、大切。



そんなわたしが、

ちびこにはどう見えているのだろう。



とてもじゃないが

1日が24時間では足りない…。



いま、私が感染症の次に怖いのは


「保育園からのお知らせ」

「4歳児クラス進級時の持ち物」



懇談会は、結局一度も行われなかった。


緊急事態宣言が発令され、延長

さらに延長される中、

親が集まると密になるためだという。



確かに、仕事柄もあり、それは怖い。


医療や介護に従事しているパパママは

わたしだけではない。

弟、妹がいるお友達もいる。

だったらリスク回避が最優先。

LINEと園だよりが今年度の命綱。




ただ、今年度途中で転園したお友達へ

元気でいてね、ありがとう、と

LINEでしか伝えられないもどかしさ



その声やお人柄を知ることのないまま

異動や退職でお別れする先生へ

お世話になりました、と

門前でしか言えないもどかしさ



この気持ちを抱いたまま、

新しい年度がスタートすることを

覚悟しなくてはいけないようです。



出会いや別れのすっぱさも、

桜の花びらを運ぶ風も、

若芽を照らす木漏れ日も、


昨年、今年は何かが違う。




ちびこも大好きなアナ雪2には

こんな台詞が出てきます。



「どうしようもないことが起こったから

どうにかできる事をしてるだけだよ」


「今できること、

それも正しいことをする」



現在に通じるものを感じました。



生きられることに感謝しながら

小さな手をとって

ちびこと一緒に歩いていきます。