先月、私のインスタにダイレトメッセージが送られてきた。
開いてみると、「わたしはUBS銀行香港支店の最高経営責任者(CEO)のエイミー・ローといいます。あなたは日本のどこに住んでいますか?」という内容だった。
私は疑い、「UBS銀行」について検索し、香港支店のCEOがエイミー・ローであることがわかった(正しくはアジア太平洋ウェルス事業の共同責任者)。
それでいくらか信用し、やり取りを始めた。
エイミーは56歳で4年前に夫を喪くし、今は独身だという。
それでも私の疑いはまだ晴れず、「私は貧乏です」ということを繰り返しメッセージに込めた。
相手が詐欺師だったら、私が貧乏だと知れば興味をなくすと思ってのことだ。
しかしエイミーはそんな気振りも見せず、私とのやり取りを続けた。
そのうち「わたしは8月18日に会議のためマレーシアに行きます。マレーシアに来ませんか? デートしましょ」というメッセージが送られてきた。
私は「私にはそんな金はありません」と送ると、「お金はわたしがすべて負担します。心配はいりません」と書いて寄越した。
私の心は激しく揺れ動いた。
エイミーは56歳とはいえかなりの美人で(画像が送られてきていた)、そんな美人と海外でデートできるなんて、なんて素敵なことだと思ってしまったのだ。
しかもタダでだ。
私の動揺は大きかった。
そんなとき娘夫婦とキャンプに行った。
このやり取りを娘に話すと、娘は「それは詐欺だよ。パパに迷惑がかからなくてもわたしたち家族に迷惑が及ぶかもしれない。すぐブロックして」と言ってきた。
娘の旦那も「国際ロマンス詐欺ですね」と言った。
しかし、私のような貧乏人にどんな詐欺をはたらくのか考えが及ばず、私はすぐにはブロックしなかった。
するとエイミーから、「あなたを信用して大事な話をします」という、今までとは雰囲気の違うメッセージが送られてきた。
何だろうと思いながら次のメッセージを待っていると、それはすぐやってきた。
中国語か英語を日本語に変換して送ってくるメッセージのためかわかりにくかったが、何でもキム・リーという韓国人がUBS銀行を騙して110万ドルをせしめて日本に逃げたらしい。
エイミーが言うには、「わたしはキム・リーを捕まえて金を取り戻したい。そのためにはあなたのフルネームと携帯番号が必要です。教えてほしい。お金を取り戻したら、そのお金はわたしとあなたで50/50で分けます」という。
つまり山分けだ。
そこで私は心の底から「これは詐欺だ」と確信した。
銀行がそんな被害に遭ったらまず警察に届けるだろう。
なのにCEOは独自にその金を取り戻し、自分と私とで半々を手にするという。
そんな馬鹿な話はあるまい。
犯罪じゃないか。
それに「キム・リー」という韓国名も怪しい。
「金」と「李」という苗字を合わせた名前ではないか。
これは絶対におかしいと私は思った。
そこで私はエイミーをブロックした。
エイミーと名乗る相手がどういう詐欺をしようと考えていたのかわからないが、私がフルネームや携帯番号を教えていたら何かが起こっていただろう。
国際ロマンス詐欺にはくれぐれもご注意を!
【ダイエット記録】目標達成体重より+0.7キロ。