台風の季節になってきた。
それでテレビの天気予報などで、「台風○号は沖縄に上陸し、その後、列島に上陸する恐れがあります」というアナウンスがよく聞かれるようになった。
これをそのまま素直に聞くと、日本列島に沖縄は含まれていないように聞こえる。
日本列島と言った場合、本州と四国と九州と、あとは小さな島々をすべて含む。
沖縄も先島諸島も大東島も奄美諸島も伊豆諸島も、もっと言えば国後島も択捉島もみんな日本列島に含まれる。
なのにテレビのアナウンサーにはその意識がないのか、それとも沖縄を日本でないとでも思っているのか、冒頭のようなアナウンスを普通に行う。
そのようなアナウンスを聞く沖縄県民たちはどう感じているだろうか。
「ワァたちは日本人と認められてないのさー」と思うのではないか。
沖縄の歴史をみれば、それは征服され搾取され犠牲になってきた悲惨きわまりないものだ。
もとは琉球王国という独立国だったのに、薩摩島津氏に征服され、島津氏は、琉球で栽培されるサトウキビから取れる砂糖を独占して自分のものにした。
島津氏は琉球の反乱を恐れて武器を持つことを島民たちに禁じた。
明治になって琉球は沖縄県として日本のひとつの県として認められた。
しかし、明治政府は沖縄県民の保護をろくにしなかった。
明治政府の中には、沖縄県民がヤマト民族ではなく異民族だと思う人が多くいたようだ。
そういう目で沖縄県民をみれば、政府から優遇されなかったのも当然だろう。
北海道のアイヌの人々も同じ目にあった。
北海道開拓使はアイヌの人々を土人と呼び、やはり異民族として扱った。
冗談ではない。
アイヌの人々も沖縄県民も、日本の先住民族である縄文人の末裔なのである。
縄文人は古モンゴロイドである。
古い時代にアジアに至ったモンゴロイドで、その特徴は、小柄で細身でまぶたが二重で体毛が多い。
この特徴は、アイヌの人々にも沖縄県民にも共通している。
紀元前に大陸や朝鮮半島から大量の異民族が日本列島になだれ込んできた。
弥生人である。
彼らは、古モンゴロイドと違い新モンゴロイドと呼ばれ、大柄で体格がよく体毛が少なかった。
弥生人は北九州や山陰や北陸などから列島に渡来し、主に関西圏に定住した。
縄文人の多くは狩猟・採集生活をしていた。
弥生人の渡来とともに、彼らと稲作を始めた縄文人もいたと思うが、多くは山に北に西に移動した。
山に移動した縄文人は、後にサンカと呼ばれる人々になったと思われる。
サンカの人々は、後に賎民として蔑視され差別される存在のひとつになったように思う。
非差別民族のルーツは古代天皇家が渡来人を奴隷にしたことに始まるという見方もある。
サンカの人々も、その渡来奴隷とともに賎民に落とされたのではないか。
北に移動した人々は、関東・東北から北海道にまで行き、ロシア沿海州から南下してきたオホーツク人と混血してアイヌ民族になった。
西に移動した人々は奄美諸島を経て沖縄にまで達し、琉球民族と呼ばれるようになった。
しかしどちらも、日本の先住民族である縄文人の末裔なのだ。
日本を征服した弥生人は、縄文人たちを奴隷にしたりしたように思われる。
そして、自分たちこそ日本の本当の民族だと主張し、後に彼らは自分たちのことをヤマト民族と呼んだ。
つまり、ヤマト民族というのは日本を征服した侵略者たちなのである。
彼らこそ異民族なのである。
現代の日本人の多くは混血を繰り返してきて、ほとんどの人は縄文人と弥生人の血を受け継いでいる。
しかし、北と南と山深くに住んだ縄文人たちは、ヤマト民族とあまり混血せず、弥生人とは明らかに違う見た目のまま今日に至っている。
自分たちこそ日本の本当の住民だと思っているヤマト民族にしてみれば、自分たちとは外見も言葉も違うアイヌの人々と沖縄県民をいまだに異民族だと感じ、まともに扱わなかった。
太平洋戦争末期には、米軍が沖縄に上陸するとわかっても、日本軍と天皇は沖縄を見捨てた。
それで沖縄県民の実に四分の1が犠牲になった。
戦後は米軍が沖縄各地の私有地を勝手に接収してたくさんの基地を作った。
米軍兵士は沖縄で非人道的な狼藉を繰り返した。
その状況は、沖縄が本土に返還されても続いている。
そのことに対して「沖縄の犠牲を減らすべきだ」と声を上げた国会議員はいたろうか。
彼ら国会議員の中には、沖縄県民のことをまともに考えていないと思われる連中が多い。
国民の中にもそういう連中がいる。
特に右翼はヤマト民族だけが日本国民だという考えを強く持っているので、アイヌの人々や沖縄の人々を、いまだに土人と呼んではばからない。
北海道でも、いまだにアイヌの人々を蔑視したり差別する人が多い。
札幌では数年前から「アイヌの史実を学ぶ会」が地下街で開かれている。
そこで展示されるパネルには「アイヌは先住民族ではない」とか「明治政府はアイヌに広い土地を与えて優遇した」とか書いてある。

〈「アイヌの史実を学ぶ会」の代表の伊藤昌勝は「アイヌが先住民族だって全然わからない」とうそぶいた〉
これは事実と明らかに違う。
アイヌの人々が日本列島の先住民族であることは多くの研究者が認めていることであり、それを受けて国会は何十年も前に「アイヌは先住民族である」と明確に示した。
「アイヌに広い土地を与えた」ということはあったが、それは開拓に適しない不毛の土地だったのである。
つまりアイヌの人々は差別され、邪険に扱われていたのだ。
それはヤマト民族ではなく異民族と見られていたからだろう。
繰り返すと、「ヤマト民族」というのは、日本の先住民族から日本を奪った侵略者なのである。
もともとの日本人ではない。
先住していた縄文人を征服、あるいは駆逐して日本を乗っ取った弥生人が「日本人」を名乗るほうがおかしい。
歴史は勝者の側が作る。
日本を乗っ取った弥生人は、自らを天孫族として国の正式な歴史書「日本書紀」に記した。
畿内にヤマト王権を建てた彼らは、出雲を征服した。
「日本書紀」では出雲王がヤマトに国を譲ってくれたと書いてあるが、あれは大嘘である。
「出雲風土記」にはそんなことは一行も書かれていない。
もしかすると出雲は縄文人の国だったのかもしれない。
出雲地方にはズーズー弁を話す人たちがいる。
ズーズー弁といえば東北である。
ズーズー弁と呼ばれるような話し方は、あるいは縄文人の話し方だったのではないか。
それで東北と出雲地方にズーズー弁が残ったのかもしれない。
札幌地下街では開かれてきた「アイヌの史実を学ぶ会」を後援しているのは、右翼中の右翼の「日本会議」である。
「日本会議」も右翼なので、アイヌの人々と沖縄県民を「日本人ではない」と今でも蔑視している。
アイヌの人々を先住住民ではないと主張する「アイヌの史実を学ぶ会」を後援したのも当然である。
「日本会議」にしてみれば、よくぞ言ってくれたという気持ちで後援しているのだろう。
「日本会議」は、平和憲法を改悪して戦争のできる国にしようと企んでいるろくでもない右翼である。

〈「日本会議」が憲法改正案の必要性をまとめたチラシ。天皇を元首にして自衛隊を軍隊にしようとしている〉
とにかく、アイヌの人々と沖縄県民は縄文人の末裔であり、であれば日本の先住民族なのである。
それを否定する右翼には、今なお侵略者としての遺伝子が受け継がれているのかもしれない。
「日本会議」が作った憲法草案通りに自民党は憲法を変えようとしている。
その内容は平和憲法ではなく、日本を戦争のできる国にする戦前までの大日本帝国憲法と変わらない。
彼ら右翼は、侵略者である弥生人の血が騒ぐのを抑えきれないような連中なのだろう。
自分もまたヤマト民族のはしくれとして、アイヌの人々や沖縄の人々、サンカと呼ばれて今も山の中で隠れて暮らしている人々に、申しわけない気持ちでいっぱいになる。
【ダイエット記録】目標達成体重より+3.8キロ。























































