長男の登校拒否が6月から続き、
一ヶ月が経った頃、事前に決まっていたカナダの短期留学へ旅立ちました。

リフレッシュになると良いな。という気持ちと、現地で身体の痙攣の発作が起きないか不安な気持ちも入り混じりながら、当日は送り出しました。

現地から送られてくる彼の写真は、生き生きとしていて
「毎日楽しい。」と連絡があり、安心しました。

帰国後、
「カナダでは、政治やお金の話も生徒同士で話せて凄い楽しかったよ!二学期は学校に行こうかな。来年は海外の提携校に通おうと思う!」 
と前向きに話していたので、安心して話を聞いていました。

夏休みは学校の友人達と花火大会へ行ったり、図書館へ勉強、読書の為に通い、以前の彼に戻りつつありました。
 

二学期の始業式、元気な様子で久しぶりに登校しました。 

安心していた矢先、
翌日には、起床できず、また身体の痙攣が止まらなくなってしまいます。

死んだ魚のような瞳でiPadを片手にベッドでYouTubeを観て一日を終える日々に戻りました。

そして一言、彼は
「学校に行けるものなら行ってる。」と、
わたしに呟きました。

数週間後、わたしは彼にある提案をしました。

「中学受験をした頃、入学をした頃、そして今のあなたは考え方、フェーズも変わり、成長したと思うから、学校を辞めて環境を変えてみたらどうかな?」

母からは猛反対を受けました。
進学校の特進クラスへ通い、数年すれば日本の有名大学へ通える確率が高いのに、それを手放すなんて勿体無いと言われました。
母の意見も、勿論理解はできますが、わたしはその考えには前向きになれず、彼にその選択をして欲しいとは思えなかったのです。

日本、世界の未来を想い、
今後の政治経済、教育を信頼できる仲間と変え、
次世代の子ども達が希望を抱ける世界を創りたい。と真剣に思慮し、将来のビジョンを話してくれる彼に、
「我慢して今の学校を卒業しなさい。」とは言えません。 
彼のこころをこれ以上、壊したくないとも思いました。

わたしの提案に、彼は肩の荷が下りたようで、
日に日に笑顔を取り戻していきました。 

そして、先月、親子で退学届を提出してきました。

良い仲間に恵まれているので、退学日に仲間から、
色紙、手描きの油絵、教育本、思い出の缶ジュースを贈ってもらい、沢山の友人が号泣して彼を抱きしめてくれました。

彼はクラスメイトの前で登壇し、
「優秀なみんな、こんなところで勉強している場合じゃないよ。僕は日本を変えるために、ひと足先にここを卒業する。」と、堂々と潔い態度で話していました。

帰宅後
「あんなに素敵な仲間と離れるの寂しくないの?」と尋ねたところ、

「学校を辞めたって、みんなとの縁は繋がっているから
全然寂しくないよ。清々しい。」と話す彼の顔は、
なんとも愛おしく、母として誇らしい気持ちになりました。

おかげさまで、来年の春から彼の希望する学校への入学も
決まりました。

親子で沢山悩み、考え、話し合い、時にぶつかり、涙し、
抱きしめ、感動し、親子の絆が深まった2023年となりました。

彼は初めて自分の貯金を使い、パソコンを購入。
最近では、プログラミングを学んでいます。

この経験が「誰かのお役に立てると良いね。」と話し合い、
彼の許可も得て、今回こちらのコラムを投稿しました。

神さまに、
愛する我が子達を授けてくださり、
毎日を健康な身体で過ごし、夜には寝顔を見れる日々に感謝し、子どもを育てる覚悟、信じる覚悟を持つ。ということを改めて強く感じさせて頂ける機会となりました。

長男の今後の人生にエールを贈ります。

日本、世界がもっと平和に笑顔で溢れますように。

わたしも人生をかけて、これからも頑張ります。
いつもコラムを読んで頂き、ありがとうございます。