昨年2022年夏、

冬眠してしまった染め液(45Lペール)を修復する為に、

 

別の丸タブ(30L)に、

もう一つ新しく藍建てして、

そこにできた元気な菌を移植しようと考えた。(誘い出し。)

 

 

 

…以下、30Lタブに藍建てと、

その染め液も建つ前に寝てしまったので、

その修復の様子と

色が出るまでの状態の変遷を

過去ブログより抜粋。

 

 

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《 2022年6/24 》 誘い出し用の丸タブに藍の仕込み

以前に購入しておいた30L丸タブに

藍を新たに仕込んだ。

この丸タブは試験的に、

仕込み時にすくもだけでなく炊いた小麦フスマも入れてみた。

 

天然染色ノート5を参考にし、

一般的によくある藍の建て方でやってみたつもりだった。

 

 

すくもを沸騰させた灰汁で練ったせいか、数日待っても

なかなか膜が張らないので、

以前のように、少量のすくもを40度の灰汁で溶いて一晩おいたものを、

30L丸タブと45Lペールの両方に追加して攪拌した。

 

 

 

 

 

《 2022年7/1 》 誘い出し

40度の灰汁で溶いて一晩置いたすくも液を追加で添加してから、

2、3日でいい感じになってきて、表面に膜が張ってきて

30Lの丸タブには、数日後に薄く青い色が出たが、

 

ここで焦って、例の寝ている45Lペールと液の交換をしてしまった。

(あとで考えると小さい方の丸タブに、

わざわざ寝ている45Lの染め液・菌を入れるべきではなかった。)

 

 

最初は、45Lのペールの表面に、点々と紅が出てきて、

30Lの方にも同様に出てきて、

両方ともいい感じ!と思ったのだが、

 

そこでなんとなく栄養が足りないかもと不安になり、

フスマの炊いたのと貝灰を、両方の藍甕に入れてしまった。

 

攪拌し、翌日に藍甕を見ると、

できかけていた膜や紅がなくなっていた。

 

 

その日からどんどんシーンとした感じになり、

膜はいくら待っても張らず、

30Lの丸タブは初期に出かかっていた青い色が、

全く出なくなってしまった。

 

悪い菌をわざわざ、新しい丸タブにまで培養してしまった形となった。

 

また、後日情報を求めて読んだ大川氏の紺屋の白袴のブログに、

貝灰の使い方を間違えると藍が寝てしまう、との記述があった。

 

 

※結論:貝灰は石灰の代わりとは考えない方が良い。別物であり、別の扱い方をする必要がある。

※貝灰を入れすぎると藍は寝てしまう。

 

 

その後、寝ているままの30L丸タブ。

(写真は2022年7/6の様子。)

 

 

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30L丸タブを修復すると決め、

故大川氏の、紺屋の白袴ブログを参考に、

30L丸タブから、ダメな液を取り出して、

灰汁を足して、

 

そこにバケツで建てた

元気に建った染め液を誘い出しとして添加する事にした。

 

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《 2022年7/24 》

とりあえず、30Lのタブを修復する、と決めて、

染め液を漬物用シール容器に移して

すくも部分だけにする。

 

このすくも部分とひたひたの染め液は、しばらくそのまま置いておいて、

バケツに元気な藍が建ってから、続きを行う予定だった。

 

強めの灰汁を入れて

そこに誘い出し用の、バケツで建った元気な染め液を添加するつもりだった。

 

…しかし、小さいバケツに誘い出し用の藍建てをしているうちに、

染め液を抜いて、

すくも部分とひたひたの染め液だけにした

丸タブの匂いが少しヤバめに…。

phを確かめると9寄りになっていた。

 

仕方なく、30Lタブに灰汁だけ先に入れる。

紺屋の白袴ブログでも、灰汁だけを入れていたではないか、と自分を励ましつつ…。

 

以下、30Lタブの様子を抜粋。

 

 

 

 

《 2022年7/25 》

バケツ。茶色い泡がブクブク。

 

30L丸タブに、少し上記のバケツのブクブクの泡を添加。

寝る菌から、菌のバランスを変えたいなーと思い。

 

 

 

 

《 2022年7/26 》

毎夜、バケツのブクブクを少しづつ添加している丸タブ。

表面の様子が少し変わってきた。

 

この日は匂いが少しヤバくなってきたので、

すくも部分だけだったところに灰汁を入れた。

そのあとのph11。

 

 

 

 

《 2022年7/27 》

毎日、バケツから泡(菌)を移植している30L丸タブ。

表面が少し変わってきた。

30L丸タブは、たまーに攪拌。

 

 

 

 

《 2022年7/28 》

今日もバケツから泡を移植している丸タブ。

 

 

 

 

《 2022年7/29 》

30L丸タブの方は、

表面の菌の種類が変わってきた。

 

 

 

 

 

《 2022年7/30 》(7/26修復:液部の取り換え 後5日目)

朝。

※7/24にダメな染め液を取り除きすくも高だけにし、

7/26に2番灰汁と3番灰汁を加えてph11にしたもの。

その後バケツの発酵泡を毎日少量づつ添加。

 

夜のタブ。

 

 

 

 

 

《 2022年7/31 》(7/26修復:液部の取り換え 後6日目)

 

 

 

 

 

《 2022年8/1 》(7/26修復:液部の取り換え 後7日目)

匂いが少しアレだったので、

バケツの藍液をひしゃく一杯入れた。

建ってきたしるしの『紅』(キラッとした青紫の膜)が、

2か所くらいに小さく出ている。

 

 

 

 

 

《 2022年8/2 》(7/26修復:液部の取り換え 後8日目)

紅が増えた。あちこちに小さく浮いている。

 

 

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2022年8/3に、

期せずして30Lタブの色が出た。

 

めでたく、30Lタブは修復されました。

気温が高く、常時26~28度くらいだったのが功を奏したと思います。

 

ダメになった、染め液の部分は別途バケツにとってあり、

元気な菌を混ぜ込んでいって、少しづつ修復して

ちまちまとタブに戻す予定。

 

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《 2022年8/3 》(7/26修復:液部の取り換え 後9日目)

地味に元気な感じ。

紅がちらほら。

泡の小さなかたまりがあちこちに。

濃い灰汁を少し入れて攪拌。

 

攪拌した菜箸が、昨日からうっすら青くなっていた。

今日はもっと青い。

 

もしや!?と思って、ティッシュで色見。

結構青い!

いつのまに!?

まだちょっと弱いけれど、

染めたい…。

 

 

→急遽染め体制に。

 

いくつかの絞りを施したものを漬け置いた。

 

 

 

 

 

《 2022年8/4 》(7/26修復:液部の取り換え 後10日目)

 

嬉しい誤算で、30Lタブの板締めの周りに、

板にしみ込んでいた菌のつくる膜(コロニー)が発生していた。

 

色見すると、昨日より薄くてがっかり。

 

8/3(上)、8/4(下)の色味の比較。

(乾燥後です。)

 

昨日から漬けておいたのは

手ぬぐい2本と、

ガーゼハンカチ3枚。

 

結構濃く染まっていて、

これっぽちの布の量だが、

けっこう藍分を吸うのだな…と知った。

 

 

以下、染めの様子はこちらの過去ブログにて。