読みたい本がてんこもり。

でも、とても全ての本は買えない。

 

引っ越ししてから、自宅から自転車の距離に図書館がある事がわかったので、

本日行って参りました。

 

 

事前にネットで読みたい本があるかどうか確認してから、

手書きのメモを持って勇んで向かいました。

 

 

 

以下、借りた本。(アフェリエイトしてるわけじゃないけれど、本好きなので紹介したい☆)

 

 

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世界の絞り染め大全

全体を通して、穏やかで落ち着いた語り口のトーンが心地よい良書。

 

自分がある程度、絞りに取り組んでいたら、

きっともっと深く読めるのかな…と思ったが、

 

自分のような門外漢でも、

世界各地の、または古代の絞りの文様を何度も写真で目にするだけで、

じわじわと絞りの世界が自分にしみてくる感じ。

この本に掲載されるまで未公開であった、個人蔵の布がいくつも掲載があるようだ。

(門外漢なのでどの布なのか、また価値などがわからない。)

 

世界各地の民族学っぽい雰囲気もあって、楽しめる。

 

 

要所要所で、写真やイラストを使用した、

世界各地の絞りの技法のレクチャーもあって親切。(全ての技法ではない。)

 

いつか絞りにもっと進んだら、

もう一度読んでみて、買うかどうか決めたい本。

 

 

 

 

 

 

世界のインディゴ染め

上記の、世界の絞り大全よりも、こちらの方が私にはキャッチーだった。

この本は絶対に買う。

何度も開いて、開いたところをつい読んでしまうような本。

世界各地の藍染めの、絞りなどの技法についても掲載がある。

内容量も多いし、

写真も魅力的。

 

 

 

 

 

 

 

残したい手仕事 日本の染織

コレクションとして持っていたいような、美しい本。

 

 

ひと通り日本の伝統的な布を知っておきたいと考えて、何の気なしに借りた本。

真面目そうな本…と思って、最初はなかなか開けなかったが、

いざ読み始めると、

『これは…伝統技法とかじゃない、原始の布の本では!!!』と衝撃が走る。

最近読んだ、狩猟採集の世界の匂いが蘇る。

 

沖縄の芭蕉布に始まり、

四国のこうぞの布、

そして北海道アイヌのアットゥシ。

 

木にお神酒を捧げ、許可を得てから、

再生可能な程度に木の皮を頂き、

儀式用の衣類の布を腰機で織る。(アットゥシ)

 

その、身体を前後に揺らしながら織る姿が、

まるで木の精を頂いているように見える…。

 

 

 

…以前読んだ、インディアンのベイスギを使った布の記述を思い出した。

 

(自然)と、人の蜜月時代。

 

 

トピックは、原始の布から始まって、絞りの技法や座くり糸など素材にまで及ぶ。

伝統技法の大変な作業に真摯に取り組む作家さん、

出来上がる作品の一端から伝わってくる

 

透明な空気感が美しい。

 

時間がある時に、ゆっくり味わいたいような本。

 

また、読んでいてMAKI TEXTILE STUDIOさんの世界を思い出した。

 

本の中に出てくる、糸こそが大事、という記述に、

MAKI TEXTILE STUDIOさんの古いブログにあった、

『素材なのよ。』という、真木千秋さんのセリフを思い出し、

糸に拘る姿勢を思い出した。

布とは何なのか、がなんとなく感じ取れる気がしてくる本。

 

 

 

 

 

 

 

すぐわかる 世界の染め・織りの見かた

情報も写真もたっぷりで、

情報量がものすごく多く、

最初はちょっとクラクラした。

 

世界各地の染織について網羅されており、

地域ごとに章分けされている。

冒頭に国名と位置のわかる地図があり、

親切。

 

世界のどこをとっても、独自の素晴らしい布がある事に、

濃すぎて苦しくなるくらいの情報量。

(各地域の章ごとに専門家が内容を担当している。)

 

家に置いておいて、何度も開くと

開くたびに再発見があるような濃ゆーい本。

 

単なる、布っていう事だけじゃなくて、

 

 

☆サモアなどの南海の民族の文様と

インドネシアの山奥のトラジャ族の文様が似ている。

(海洋民族の移動を示唆する、マニアックな視点の情報。)

 

☆ガーナでは布を織るのは神聖な事で、

織り手は一日の仕事が終わると必ず決まった儀式を行って仕事場を後にし、

(ハタ)は、持ち主が亡くなったら壊して、他の人には譲らない。

 

☆アフリカのセヌフォ族では、布に絵を描く時の集中力が

生命力を引き寄せ、

布自体に呪術的な力を与えると考えられている。

 

…などなど。

心くすぐるコラムが散りばめられている。

 

 

 

最後に『織物の基本』という短い章があって、

糸の取り方、素材の種類、織機のしくみ、

絣の工程などが簡単に解説されており、

素人の私にとってはとてもありがたかった。

 

これから布を知りたい人には

宝箱みたいな本なのでは。

 

 

 

 

 

 

猟師の肉は腐らない

最初から最後まで、全く退屈させられない本でした。

『酒飲み』に対するイメージが、温かいものに少しだけ変わった。

 

深く印象に残ったのは、二つ。

 

食糧難に対する対策として『虫食い』などが提唱されたりして、

興味はあるが自分では絶対にやらない、と考えていたのに、

純粋に『美味しいから』という虫食いも、あるんだろうな…と、考えが変わった事。

(でも固定観念な人である私は、積極的には食べません。笑)

 

 

あと、本のテーマの猟師の『義兄にゃ(よしあんにゃ)』が、

日本全国を様々な職業で、また船乗りとして世界各地で色々な仕事をして生きてきたにも関わらず、

最後は故郷の父親が生前購入した山の小屋で、自給自足的な生活を送る事にした時。

 

その義兄にゃが、

「んだ。今考えでみっと、やっぱし八溝に帰ってきでいがった。

何もがも俺の仲間だしよ、山だって、川だって、田圃だって、畑だって、

鳥めらも猪めらも、みんな俺のこど助けてきてくっちゃ。

んだがら俺もよ、来る日も来る日もよ、ありがどない、世話になるぞいって八溝の山に向がって言ってだよ。

そうすっとよ、山の方がら『わがったがら心配しねで生きてげよ』って言うのが聞こえで来んだわない。

人間界ではよ、こうはいがめ。」と、本のラスト近くで述べる。

 

彼は、猪は夜行性だから、安心して移動などができるように、夜は猪を撃たない、とか、

ブナは大切な木だからむやみに切ってはならない(大量の落葉による土壌の改良や、木の実が動物の餌になるなど)、とか、

山に居る動植物を熟知しており、昔の人から続く知恵も受け継いでいる。

 

 

 

 

この本で、山で猟をして生きる人たちに残されている知恵・知識について思いを馳せ、

山で(自然界で)捕食者として生きるには、

自然界のルールやバランスを守っていないと生かせてもらえないのだな、と思った。

 

 

 

アイヌ民族の文化では、山に入る時山に(贈り物をして)挨拶をしてから入る、とか、

鮭を獲ると、川の近くの草地や藪などに、虫や鳥や動物への分け前として

低木に引っ掛けるなどして一部を置いてくる、などという話を思い出した。

 

 

アイヌやアメリカインディアンなど狩猟採集を主にしてきた民族の、

共通性(動植物や自然そのものを神とする、

物理世界の上の次元、目に見えない次元を見ながら対応しながら生きている感覚。)

に思い至った。

 

 

 

 

 

以前の自分は、文明が進んでしまった現在は、

どんなに原点として真実であっても、核心をついていても、

彼らの知恵をそのまま模倣して生きるのは難しいのでは、と思っていたが、

 

 

今、世界がどうなるのかわからないのなら、

そして私の人生時間も後半に入ったのだから、

むしろ自分がいいと思う事を単純にやって生きて行こう。

 

全世界が自分好みの世界になる必要はない。

世界は生態系なんだから、自分の好みの小さな微生物コロニーで生きられればいいじゃないか。

 

全体の進む方向は、色々な構成要素の兼ね合いで、自然に動いてゆくものだから、

コントロールしなくちゃと思う必要はない(不可能だし)と思うようになった。

 

 

 

それで、藍染めや発酵、山暮らしに向かって、今進んでいるのだけど、

この本で、次に読む本のテーマが決まった。

『狩猟採集民の文化と信仰』。

 

 

そして今では、最高位の捕食者として位置する(とみなして考えて)人間が

地球との永続する関係を保つには、互いに幸せに生き続けるには、

何万年も存続を維持してきた、彼らの知恵を、

まんま真似するのではなく、そのエキスを学び、

文明世界に反映させる、

 

地球で生きるというスキルの根本の知恵として、

一通りその概念を知っておく身に着けておく事は、大事なのではないだろうか、

そうすると同じ文明活動をしていても、結果が少し違ってくるのではないか…となんとなく思った。

 

 

 

 

 

 

 

多種共存の森

自分は子供の頃から山や植物が好きで、

若い時には、巨木が伐採されるのを、嫌なのに誰も止められない事に絶望と理不尽さを感じ、

そして自然の保護とは個人の気持ちでは手に負えない事として諦めた。

 

でも歳を経て、いずれは山に住みたいと考え、決め、

街中でアパートと職場を往復するだけの数年間で、

自分がいかに山(自然)を渇望しているのか自覚した。

自分の幸福には欠かせない要素だと自覚した。

 

今、山の世界では、世界的に針葉樹と広葉樹の混交した

自然な生態系に準じた森の機能が理解され、

そちらの方向に進み始めていると、この本で知った。

嬉しかった。

 

また、日本の巨木は山奥まで、

運搬にヘリまで使って伐りつくされてしまい、

もう残り物だけなのだという寂しい実情も確認できた。

 

自然保護を訴える学者が、

山の自然と共存しつつ山を守ってきた山里の人を、

『保護区』というゾーニングで山から追い出すという本末転倒もあると知った。

 

山と共存する伝統的な、山里の暮らし・知恵という文化こそ、

後世に残さなくてはならない財産なのでは、という問題提起もあり、とても共感する。

 

 

著者の言う通り、

自然の摂理に沿った森こそ、一番効率的という、

ゴールを遠くの未来に設定した

大きな視点での施策の方が賢いと私も思う。

(ヨーロッパでは既にその価値観で捉えている。)

 

 

とりあえず自分は山の近くに移住し、

藍染めをして藍畑をつくって暮らしながら、

農村や山の知恵を勉強する予定。(といっても山菜や保存食などが中心で、ゆるーい…。)

 

 

 

 

 

 

 

あなたの体は9割が細菌

サイエンスライターであるご自身が、

ご自身の研究のフィールドワーク中にかかった感染症の治療で、

抗生物質の多量の投与を受けたあと、

原因不明の不調に苦しみ、

色々調べて学んで書いた本。

体内の微生物たちの存在がいかに重要かわかる。

 

ご本人が将来子供を産みたいと予定している女性なので、

妊娠・出産・幼児期などについても、

比較的詳しく書かれています。

(抗生物質の摂取は慎重に。自然出産・母乳育児が良い。)

 

結果論、抗生物質の過剰摂取を控えて、

植物を食べると体内に良い微生物を増やせる、

という結論もシンプル。

 

読みやすい本だった。

 

 

 

 

 

 

 

失われてゆく、我々の内なる細菌

上記の本とほぼ同じ趣旨。

こちらは医学の研究者の方が書いた本。(抗生物質・細菌の研究)

ご自身の娘さんが抗生物質の大量投与で体調不良になった経験もあり、

真剣な姿勢を感じる。

 

現代病といわれる数々の疾患は、なぜ近年こんなに増えたのか。

なぜ若年層から罹るのか…。

をスタートに、話が展開されてゆく。

 

 

原因は何なのか。(→:抗生物質の多用による、有用体内細菌の欠如)

 

 

幸福感や精神の安定を産むセロトニンは、

80%が腸で作られている事、

 

それも細菌の働きかけで生産される事、

また腸内の細菌が、脳を正常に機能させる為の物質も産生しているとの事。

 

結論としては、

胎児期・幼児期、または大人になっても(人生を通して)

抗生物質の過剰摂取を避ける事

(体内の微生物相を破壊しないというだけではなく、

抗生物質が効かない耐性菌の発生を抑える為にも)

 

自然分娩、母乳育児をする事。

 

 

未開の部族から採取した、

抗生物質に暴露されていない、

健全な糞便サンプルを取得し、

 

近代に人類が失った細菌を、

再投入する研究・治療法を進める事。

 

などを結論として述べている。

 

 

 

 

 

どれも良い本でした☆

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