はじめに ご挨拶 | しなやか自律神経へ コロナ後遺症・感染症後ME/CFS

しなやか自律神経へ コロナ後遺症・感染症後ME/CFS

2021年6月、当時高1息子が感染症後CFS発症→現在リカバリー中。
第28回精神保健福祉士国家試験受験のため通信制で学習中。

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2021年6月に当時高1の息子が倒れ込み、起立性調節障害(重症)と診断されました。

 

重症のケースでは、通常の日常生活に復帰できるまで年単位かかるという驚きの病態について、治療法を探しながら試行錯誤の日々をおくるうちに、心身の健康について様々な気づきがありました。

 

現在は「これからの息子が自立して生きていくために必要な知恵」「私たち夫婦がしなやかな老いに向けて生きる知恵」について考え巡らしながら、色々な情報を集めたり、同じような病状とうまく伴走しながら生きている方々と交流できたら、と考えています。

 

いつか草が
風に揺れるのを見て
弱さを思った
今日
草が風に揺れるのを見て
強さを知った

星野富弘著「四季抄 風」より

 

息子の病気に右往左往する中で、この星野富弘氏の詩に出会いハッとしました。

自律神経系の病気について調べるうちに、この病態は、しおれた植物のようだなと感じました。

 

風に吹かれ右に左に揺れて弱そうでも、台風が来ても倒れることはない植物・・・花を咲かせるはずの10代に、一気にしおれてしまったみたい。

 

大地から栄養を吸収できなくなり、光も水も十分でなくなったので、シナシナになっているみたいです。

 

私は、息子の病態について学ぶうちに「この病態は、交感神経を強く稼働させ続けることで限界まで硬直が続いた結果、自立神経の機能が破綻して、弛緩した状態になってしまったのだ」と捉えるようになりました。

 

(※近年ポリヴェーガル理論として発表された自律神経系の理論が参考になりました。

交感神経を亢進させたままでいるとメーターが振り切れるかのように、過覚醒(交感神経が超絶優位)にして同時に麻痺・弛緩(副交感神経が超絶優位)になっているようです。これに納得。

「起立性調節障害」でグッタリしている子はダラダラ弛緩しているように見えますが、内面は過緊張でピリピリしたまま。自律神経が、交感神経と副交感神経の両方の「極地」に振り切れいている「破綻」という状態だと分かりました。オーバートレーニング症候群も同様の状態でPOTSともソックリ、発生メカニズムは共通しているのでしょう)

 

後に書きますが、三池輝久医師の「小児慢性疲労症候群」の発生機序を知り、息子はコレだと確信しています。

 

けれど、枯れたように見えても根はちゃんと張っています。

大地から栄養をもらい、光と水を得て、必ず草は息を吹き返します。

植物の強さは想像を超えます。

枯れたかと思っても、実はひょっこり復活しますもんね。

 

ただ、時間がかかる。

息子もそんな感じなのかもしれないな・・・と、発症1年経った今やっと観念しました。

 

「病気になったら適切な治療して薬を飲めば1週間で治る」というイメージの中で生きて来た私にとって、こんなに「原因不明で対処法不明な病気」があるのかと心底驚き嘆き悲しみました。

 

が、「植物がいったん枯れたようになってしまった状態」だと考えたら、再び生えてくるまで時間がかかるのは当然だなと感じます。

 

極悪状態だった時期から比べたら、少しずつの回復が見られます。

芽が出て来たのでしょう。

でもその芽はまだまだ弱くて繊細。

時間かけて伸びていき、やがて雨風にしなやかに揺れていけるように大きくなることでしょう。

 

人間という生物について、深く考えさせられたこの病態を機に、何かとても深いテーマを感じる今日この頃。

夫や自分の体質も、似たようなテイストがあります。

残りの人生、しなやかに生きていけるよう、学ぶことが大量にある予感がします。

 

親と子の縁を授かった、たくさんの親子たちが、苦労はあっても愛情あふれた幸せなものでありますように。

似た病態で苦しむ子どもたち・大人たちが、みんな回復していきますように。

全ての病で苦しむ人たちが癒されていきますように願っています。