【空蝉24-2】「肥える」って…? | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【空蝉24-2】「肥える」って…?

源氏物語イラスト訳のあいですラブラブ

 

イラスト解釈では、イラスト訳で伝えられなかった文法事項や背景などを、随時お話ししています。

まだまだ拙いブログですが、少しでもお役に立てる記事にしていきたいと思います。

 

では今日も、一気に行ってみましょぉ~♪

ヽ(○・▽・○)ノ゙

 

これまでのあらすじ

 

天皇(桐壺帝)の御子として生まれ、才能・容姿ともにすぐれていたにもかかわらず、亡母(桐壺更衣)の身分の低さにより臣籍降下して源氏姓を賜った光源氏

ただ今、「3.空蝉(うつせみ)」の巻です。光源氏は、紀伊守邸での方違えの際、そこで寝泊まりしていた伊予介の若妻(空蝉)と強引に契りを結んでしまいます。中流階級で凜(りん)とした空蝉に心惹かれた光源氏は、弟の小君を手なずけ、再会を取りつけようとしますが、空蝉は応じません。再び紀伊守邸を訪れ、夜這いをかけようと思っても、空蝉は身を隠してしまいます。光源氏は、小君を通じて、空蝉と逢う機会を執拗に求め続けます。とうとう光源氏は、紀伊守のいない時を見計らい、屋敷に忍び込むことに成功し、空蝉が義娘の軒端荻(のきばのおぎ)と碁を打っている様子を垣間見ます。


 

――――――――
今回の源氏物語

――――――――

紅の腰ひき結へる際まで胸あらはに、ばうぞくなるもてなしなり。いと白うをかしげに、つぶつぶと肥えて、


空蝉24のイラスト訳はこちら

 

 

 


 


軒端荻


 

この後、光源氏と関係を結ぶことになる

軒端荻(のきばのおぎ)☆


 

今回の記述は、

「ばうぞく(=だらしない)」と、客観的にも書いてありますが、


 

「白うをかしげに」

「つぶつぶと肥えて」

   アップ

…など、明らかに光源氏軒端荻魅力(色気)を感じているような叙述になっています。

 (`・д´・ ;)


 

え?

「肥えて」が、どうして魅力(色気)かって?



 

(☆∀☆)




 

――――――――――――
☆ 「肥える」の意味と活用 ☆

――――――――――――

 

「肥えて」は、今でも同様の意を示しますが、

終止形になったときの基本の形を覚えます。

('-^*)/


 

 

肥ゆ(こゆ)
【自動詞:ヤ行下二段活用】

①太る。肥える
②土地が肥える。肥沃になる



 *「Weblio古語辞典」より

   

 

「肥―て」とつながっているので、

連用形「エ」の音


 

下一段「蹴る」一語のみなので、


 

これは、下二段活用ですね♪

(・∀・)


 


下二段活用

 

「エ」という音は、ア行ヤ行ワ行ですが、

 


五十音図


 

ア行下二段ワ行下二段

受験生なら覚えておくべき!

٩(๑•̀o•́๑)و ☆ 




 


下二段動詞の覚え方

 

「肥え」は、これ以外の場合だから、

ヤ行下二段活用動詞ですね♪

(^O^)/

 


 

―――――――――――――
☆ なんで「肥え」てるのに… ?

―――――――――――――


源氏物語の中では、

桐壺更衣といい、夕顔といい、

弱々しい、はかなげなイメージの女性が多いですよね!

(`・д´・ ;)



 

たしかに当時は、

「はかなげ」であるほうが魅力的とされていました。


 

しかし!

 

細身であるとは書かれていません!

(`・д´・ ;)




逆に。

 

先日、「痩せ痩せなり」という古語が出てきましたが、



手つき痩せ痩せ

 

実は、この後の、光源氏の目から見た空蝉の叙述において、

 

 

目すこし腫れたる心地して、鼻などもあざやかなるところなうねびれて、にほはしきところも見えず。言ひ立つれば、悪ろきによれる容貌をいといたうもてつけて…


 

…不細工!?

(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)


 

逆に、今回の軒端荻の叙述なんか、

 


 

いと白うをかしげに、つぶつぶと肥えて…

 

 


いと白う

 

「をかしげなり」は、

明らかにプラスイメージの古語☆


 

めちゃ魅力を感じていますよねー!

(๑˘ ³˘๑)チュ~♡



 

つまり…


 

古典の世界では、

 

「はかなげ」=痩せているわけではない

 

逆に、肥えているほうが魅力的である

 

と言えそうです。





 

なぜって…


 


つぶつぶと

 

平安時代は、女性の姿をじっくり眺められるほど、

照明機能も充実してはいなかったはず。



 

ならば、何で女性の魅力を判断したか?



 

言わずもがな、抱き心地ですよね-!


 

肥えてるほうが、抱き心地いいはずだし…

(;゚;∀;゚;)




 

繰り返します!

 

 

古典の世界では、

 

「はかなげ」=痩せているわけではない


 

逆に、肥えているほうが魅力的である

 

と言えるんです。

(o^-')b






 

あ~;

 

平安時代に生まれればよかった…

 

゚(゚^ω^゚)゚

 

 

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