【帚木182-1】かかる心だに失せなば、
【古文】
「…『…かかる心だに失せなば、いとあはれとなむ思ふべき。人並々にもなり、すこしおとなびむに添へて、また並ぶ人なくあるべき』やうなど、…』…」
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(左馬頭の話は続きます)
「…『…かかる心だに失せなば、
訳)「…『…このような嫉妬心さえ消えてしまったならば、
訳)とても愛おしいと思うに違いないよ。
人並々にもなり、すこしおとなびむに添へて、
訳)出世して世間並みにもなり、少し一人前になるようなのに従って、
また並ぶ人なくあるべき』やうなど、
訳)もう並ぶ者がない正妻になるであろう』というようなことなど、
【古文】
「…『…かかる心だに失せなば、いとあはれとなむ思ふべき。人並々にもなり、すこしおとなびむに添へて、また並ぶ人なくあるべき』やうなど、…』…」
【訳】
「…『…このような嫉妬心さえ消えてしまったならば、とても愛おしいと思うに違いないよ。出世して世間並みにもなり、少し一人前になるようなのに従って、もう並ぶ者がない正妻になるであろう』というようなことなど、…』…」
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■【かかる】
■【心】
■【だに】
■【失す(うす)】
■【な(完了)】
■【未然形+ば】
■【いと】
■【あはれ】
■【なむ(係助詞)】
■【べき(当然)】
■【人並々(ひとなみなみ)】
■【おとなぶ(大人ぶ)】
■【む(婉曲)】
■【添ふ(そう)】
■【~て】
■【また】
■【並ぶ人なし】
■【べき(推量)】
■【やう(様)】
■【など(引用)】
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