2月22日に日本テレビ(読売テレビ)系で放送されたドラマ『約束のステージ』で天地真理さんの「ひとりじゃないの」を主人公が歌うシーンがあります。このシーンを見たかったのと土屋太鳳さんは、『鈴木先生』に生徒役で出演されていたころから、好きな女優さんなので視聴して見てみました。このことは、ひこうき雲さんも取り上げていらっしゃいます。詳しくは以下をお読みください。
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この番組自体は、読売テレビの開局60周年記念番組だったようです。全日本歌謡選手権をモチーフとしており、ウイキベテアには「2019年2月22日に放送された読売テレビ開局60周年スペシャルドラマ『約束のステージ 〜時を駆けるふたりの歌〜』は、当番組(全日本歌謡選手権)をモチーフとした作品であり、2019年から1975年にタイムスリップした少女・翼(土屋太鳳)と、1975年の少女・翼(百田夏菜子)がデュエットを組んで番組に出場した(その後、ドラマ内では2019年の翼が単独で再出場し、10週まで勝ち残る)。ドラマでは1975年当時のセットを再現し、番組出身者の五木ひろし・八代亜紀・天童よしみが審査員役で、山本譲二が当時の出場VTRで登場した。また、前述の通り番組出場経験のある石野真子も2019年の翼の母親役で出演している。」 とあります。1975年当時のようすが、再現されています。
全日本歌謡選手権は、1970年1月5日から1976年12月25日にかけて放送されていた番組で、1971年10月デビューの天地真理さんの活躍された時代と重なります。オーディション番組として一世を風靡した『スター誕生』は、真理さんデビューと同じ1972年10月スタートですから、それより2年ほど早いことになります。『スター誕生』と比べると、歌手としての歌唱力が評価の対象となるプロ・アマ関係なく実力勝負の番組という感じが強かった思います。『スター誕生』が、ルクスも含めての評価の対象であり、低年齢者のオーディション番組だったのに対して、大人のオーディション番組の印象を強く持っています。同じ熊本出身できれいなお姉さんだったので八代亜紀の出演は覚えています。それから天童よしみも覚えています。天童さんの場合、逆に美人でなかったこと、それから審査員の評価が大変高かったこと(こんなブス売れないよと子どもながらに思っていました。天童さんごめんなさい)、審査員がみんなべた褒め、お金をもらってるんではないかと思うぐらい高い評価でした。天童さんは、その後も売れるまでに一定の時間はかかったのですが、今やだれでも認める国民的演歌歌手ですね。個人的には、売れる前の曲、『いなかっぺ大将』の「大ちゃん数え歌」は、すきですね。
この番組の監督の佐々部清さんについて、ひこうき雲さんは『以前「天地真理さんはたった3年ほどをピークに、芸能界の頂点を駆け抜けていった、ある意味で日本芸能史の縮図、あるいは象徴のような人」であり「そんな素材で映画を作れないか」と書かれていました」と述べられています。
この番組で、主人公の土屋太鳳さんと百田夏都子さんが、デュエットで「ひとりじゃないの」を歌うシーンがあります。6週目ですけど、この曲で2人は、落選するということになります。このお二人ならむしろ、『スター誕生』向けでしょう。デビュー前のピンクレディーってこんなかんじじゃなかったのかな?
その後土屋太鳳のほうの「翼ちゃん」が再挑戦します。そして10週勝ち抜きます。最後に歌ったのが『幸せのセレナーデ』っというオリジナル曲です。まあこのタイトル、真理ちゃんファンならあの曲をイメージしますよね。まあ、いいか。
この2曲の歌唱、わたしには評価する音楽的素養は、ありません。ひこうき雲さんは、ブログの中で以下のような解説をされています。
『(幸せのセレナーデ)どうでしょうか?土屋大鳳さん、一番いいうたを聴かせてくれますね。それは一つにはこういうシチュエーションが、歌う本人にも聴く我々にも共通の感情を引き起こすということもあると思います。しかしドラマを離れて聴いてもおそらくこの曲の方が「上手い」と思うと思うのです。番宣の動画を見るとつんくさん自身が指導しているところが見られますから、そのせいもあるかもしれません。しかし私はそれだけではないように思います。こういう演歌的(歌謡曲的?)な曲は感情が込めやすいのですね。演歌は難しいとよく言われますが、それは独特の歌いまわしのためで、表現としてはむしろわかりやすいのです。この歌も”上手い”人が歌うと(私の感覚でいうと)お馴染みの芝居じみた歌になってしまうと思うのですが、土屋さんのやや幼い声と歌い方がそういう泥臭さを減じて適度の湿り気を持ったうたになっているのが良いのだと思います。しかし「ひとりじゃないの」ではまるで歯が立たなかったのです。そもそも「ひとりじゃないの」のような明るくポップな曲に表情を付けるということがすごくむずかしいのです。彼女たちだけでなく、ただ明るく楽しく歌えばいいと思っている人は多いのではないでしょうか。それだけに豊かな表情に満ちた真理さんのうたのすごさをあらためて感じたドラマでもありました。』
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この全日本歌謡選手権、なんとサンテ提供なんですよ。ウイキベテアによれば、「『サンテ全日本歌謡選手権』と題して放送されていたが、1973年1月以降は複数社提供になり、タイトルからスポンサー名が外れた。一社提供時代には番組の冒頭で、当時の司会者である長沢が「参天製薬提供、サンテ全日本歌謡選手権!」とコールしていたが、後に「大学目薬とサンテ・ド・ウの参天製薬がお送りする、サンテ全日本歌謡選手権!」に変更。さらに複数社提供になってからは「第○回、全日本歌謡選手権!」とコールするようになった。」とあります。
真理ちゃんのあのCMが、流れていたのでしょうね。
天地真理さんが、活躍していた時代、歌謡曲の全盛の時代であり、天地真理さんをテレビで見て、歌手になりたいと思った少女が存在し、次の時代のアイドル文化を担うことになるのです。しからば、彼女について多くを語り、残さないといけないのです。また当時の少女たちにも語ってほしいものです。