大動脈血栓塞栓症という病気があります
主に心筋症による循環障害などで
血栓という血液の固まりが
血管の中で作られ
それが大動脈の中で固まり
血流障害を起こします
他にも血栓は細い血管などに詰まっても
麻痺や梗塞が起きて致命的になることもあります
突然の下半身の麻痺などの症状などで
診察をさせてもらって判明することが多いと思います
根本的な心不全に対する治療や
甲状腺機能亢進症などの治療と同時に
血栓が作られないようにする対策が重要です
以前はアスピリンやヘパリン
ワルファリンが適応となっていましたが
小動物、特に猫においては
治療成績は良いといえるものではありませんでした
今は当院での血栓塞栓症の治療や予防としては
抗血小板薬である
クロピドグレルの使用がメインになっています
まだ新薬なので値段もちょっとお高めですが
長期服用でも副作用もなく使いやすい薬なので
おすすめです
今日の診察の猫さんもかれこれ5年以上
クロピドグレルの服用で血栓の再発がなく
元気に過ごせてくれています
この抗血小板薬の他にも
新規経口抗凝固薬を使う方法も
少しずつ試されてはいますが
臨床的にスタンダードに使えるようになるには
もう少し時間が必要になりそうですね