誤飲に関して
助かった話が続いています
たしかに開業以来誤飲で命を失ったケースは
幸いにして無いのですが
それはたまたま運が良かっただけの話で
どんな異物であれ
場合によってはあっという間に命を失うことがあります
まだ研修医として東京の動物病院で
お世話になっていた頃の話
針を飲み込んだかもしれない
ということで診察をすると
胸部食道に２本、胃の中に５本くらいの
針が見つかりました
なぜこんなに針が
しかも胸部の食道に写っている２本の針は
食道に突き刺さった状態と思われます
開胸しての手術は
動物ではその頃は一般的ではなく
人工呼吸器の管理にも獣医師が必要なので
診療時間中の緊急手術は人手が足りないため
院長と相談
午後の診療が終わったら
開腹および開胸の手術に取りかかる
ということになりました
ところが
その手術を待っている間に容態が急変
それこそあっという間に虚脱状態に陥って
亡くなりました
死後解剖したところ
胸部に大量の出血
心臓から出ている大動脈に針が刺さって傷つけたため
血管に穴が空いて大出血が起きたようです
大動脈は通常壁が厚いため
少々針が刺さったくらいでは
出血も止まるはずなのですが
針で表面を引っ掻くように
裂いてしまったのかもしれません
あるいは元々大動脈瘤などのコブができた状態で
血管壁が薄かったのか
今では検証のしようもありませんが
とてもかわいそうな症例でした
手術前とはいえ
おそらく手術していたとしても
助からなかった可能性が高かったダックス君
なぜ針が口の届くところにあったのか
飼い主さんは
あとで悔やんでも
悔やみきれなかったことと思います
さて、今日の日めくりは
ブログ友達の和香ママさんのところの鋼牙くん
まん丸な顔とまん丸目がとてもキュートです^^
