さてさて、今日は血液学的検査について

でも、血液学的検査というと、
なんだか、血液検査とごっちゃになりそうですねあせる

こういう似た名前がついているところも、
理解しにくい原因の一つかもしれませんねショック!

あ、気を取り直して、始めまーす音譜

血液学的検査に含まれる項目は簡単にいうと血液そのものの問題を見つけるものの中でも、数字で表せるものだと思っていただければいいのではないかと思います。
血液の中は、体全体に酸素を送るための赤血球や、主に免疫に関係する白血球、血液凝固に関係する血小板などの固形成分がありますが、それらの数や、成分、さらに種類を分類してのパーセンテージを調べたものが血液学的検査群に分類されます。
項目名をあげると、血球計算(白血球数、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、MCV、MCH、MCHC、血小板)、網状赤血球数、好酸球数、白血球分類、APTT、PT、フィブリノーゲンなどがあります。

何を測っているかが分かりにくい項目だけを説明するとヘマトクリットは血液全体に占める赤血球の割合を調べ、MCV,MCH,MCHCの三つの項目は赤血球数、ヘモグロビン量、ヘマトクリットが分かれば計算から求められます。MCVは平均赤血球容積で、MCHは平均赤血球ヘモグロビン量、MCHCは平均赤血球ヘモグロビン濃度となります。またAPTTは活性化部分トロンボプラスチン時間、PTはプロトロンビン時間と呼ばれる主に血液凝固に関係する項目です。

赤血球数やヘモグロビン、ヘマトクリットから求められるMCV,MCH,MCHCからは、貧血の状態の把握や分類ができ、原因や治療方針が立てられます。また、貧血とは反対の多血症という病気の診断にも役立ちます。酸素を送る役割をしているヘモグロビンが血液中にどの程度含まれているか、濃度や、分布量を調べるための数字ですね。

網状赤血球というのは、赤血球の中でもまだ赤ちゃんの状態の赤血球で通常は赤血球数の0.5~2%程度ですが、たとえば赤血球が破壊される溶血性貧血などがおきると、それを補うための赤血球がどんどん作られるので、全体に占める網状赤血球の割合が増えていきます。逆に赤血球を作る場所である骨髄を始めとする造血系に異常がある場合(白血病、再生不良性貧血など)では網状赤血球数が減っていることが確認出来ます。

好酸球というのは、白血球の一種で特に寄生虫に反応して増える白血球ですが、その他にもアレルギーや、好酸球性肉芽腫などの病気の際にも数が増える白血球として知られています。しかしながら、たとえば皮膚病でアレルギー性皮膚炎を疑っても、好酸球の存在だけでアレルギー性皮膚炎との診断をくだす事はしません。もちろん好酸球数の増加は参考にはなると思いますが、これだけでアレルギー性皮膚炎を診断する事は出来ません。

最後に血液凝固に関連するAPTT,PT,フィブリノーゲンといった項目ですが、これらに関しては血液の凝固に関しての知識が必要になるので詳しい説明は省略します。人間では一般的な検査項目のようですが、動物では特定の病気以外ではあまり測定をする事がありません。
血友病などの凝固障害の際などに分類のために検査を行う事がありますし、用心深い先生などでは手術前検査の項目に含める事もあるかもしれませんが、当院では検査する事は少ない項目になります。
また肝臓疾患の場合にも、APTT,PTは長くなることが知られています。

以上が血液学的検査群に含まれる項目の説明になります。
今までの生化学検査群に比べると、何を測っているのかは直接分かりやすいのではないかなと思いますが、いかがでしょうか?

さらに次回は血液の形態学的検査についてお話していこうと思いますひらめき電球
$みんな元気にしてるかな?
ちょっと、コーヒーブレークでもしましょ音譜