戦友のようなものだった
泣いているあたしの背中をさすって
おかあさん、もういいよ
と、言った彼女は
まだ3歳にもなっていなかった
おばあちゃんちへ、いこう!
と、あたしを励まして、生後2ヶ月の妹に哺乳瓶で果汁をあげていた
父親のことが大好きだったのに
お父さんは?
と、一度も聞かなかった
どれほどの我慢を
彼女は今までしてきたのだろう
あたしの傷を、どんな思いで見てきたのだろう
踏ん張って踏ん張って生きるあたしに
ただ、生きてさえいてくれたらいい
と言った
普通の家庭じゃないから
と、家の事は友達にも一切話さないという
そんな彼女が、もうすぐ結婚
したいという
彼の転勤にあわせて
東京へ行くという
あたしたちの、戦いは終わった
彼女が、
毎日楽しそうやなぁと
言ったときに
終わっていたんだと思う
新しい人生を歩く彼女に
精一杯のエールを送ろう
あたしのような、人生ではない
もっと穏やかな道を
歩けるように
あたしは3人の娘を育ててきた
その道がイバラのない
向日葵が咲く道でありますように