より抜粋

日本社会には、一度、物事を決めるとそれに固執し、
状況が変わっても止められないという特徴がある。


復活の見込みがない国内半導体企業に血税を投じ、
20年にわたって失敗を重ねた国策半導体企業への支援策や、
過去3度も失敗しながら再びオールジャパンでの取り組みを
推進しようとしている国産旅客機の開発計画、
最近では大阪・関西万博など
止められない事例は無数にある。



 

これらは個別のプロジェクトなので、
最悪でも投じた資金が回収できないだけで済む。

だが国家全体の趨勢がかかった決断において
失敗が明らかになった際、撤退の決断ができないことは、
時に致命的な影響をもたらす。

経済規模が10倍もあるアメリカと全面戦争を行い、
国土の多くを焼失した太平洋戦争の敗北は、
まさに止められない日本を象徴する歴史といってよいだろう。