より抜粋

質問すれば人間のような文体で即答する
対話型AI(人工知能)サービス「チャットGPT」
公開から1年余りが過ぎた。

生成AIは脚光を浴び続け、
IT(情報技術)は進歩を加速し、
膨大な情報をデジタル化して価値を生み出す

「デジタル資本主義」が勢いを増している。

ドイツの気鋭哲学者マルクス・ガブリエル氏は近年、
「新啓蒙主義」を唱え、
現代の様々な問題を巡って積極的に発言している。


AI全盛の今日、私は新たな富の創出に期待する一方で、
現状に危うさも感じています。
同時に「人間とは何か」という問いの
重要性が増したと考えています。

危うさの一つは、よく指摘されるように、
生成AIを用いたフェイク(偽)情報の製造・拡散です。

最近ではパレスチナのイスラム主義組織ハマス、
その後ろ盾のイランが対イスラエル非難へと
国際世論を導くために主に動画共有アプリ
「TikTok(ティックトック)」を通じて
偽の画像・映像を流布した。

また今年行われる米大統領選は前回にも増して、
政敵の攻撃を企図する、
もっともらしい偽情報が大量に出回るでしょう。

危うさの根本にあるのは
AIは正しく、理性・良識を持つ
という人間の思い込みです。

私はチャットGPTに
「マルクス・ガブリエルの思想を述べよ」
と何度か質問を試みましたが、
回答は常に多くの間違いを含んでいた。

私の全ての論文・著作・講義をAIに学習させれば
改善されるでしょうが、
要は、AIは必ずしも正しくないということです。


【コメント】

 

私に言わせれば

「AIは必ずしも正しくない」のではなく

「AIは間違いだらけ」です。

 

確かに、「常識的な質問」をすれば「常識的な回答」をします。

しかし、その「常識的」こそを問題にすべきなのです。

 

例えば、ガリレオガリレイの時代に「AIがあった」と仮定します。

この時代は「天動説が常識」だったのです。

 

つまり、この時代のAIは「地動説」を否定してしまうのです。

これが、AIを信用してはいけない「本当の理由」なのです。

 

 

AIを超える哲学者なら、

「常識を疑わなければならない」のです。

 

常識を疑わない哲学者は、

哲学者と名乗る資格は無いのです。

 

 

【追記】

AIは生まれた時から「賢い」わけではありません。

「教育」によって「賢く」なるのです。

「教育」が間違っていれば、

「愚かなAI」に育ってしまうのです。

 

現在、AIを育てているのは「開発者」です。

したがって、

「開発者に都合のいい」回答を「正しい」

「開発者に都合の悪い」回答を「間違い」

と教えるのです。

 

欧米のAIは「民主主義は正しい」と答えるし、

中国のAIは「共産主義は正しい」と答えます。

 

AIは「論理的に考察する」ことはないのです。

 

【追記2】

 

ちなみに「人間とは何か」の問いに関しては、下記をご覧ください。↓