無線LAN技術の業界団体であるWi-Fi Allianceは2019年9月19日、
東京都内で記者会見を開催し、
最新の通信規格「Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)」の認証プログラム
Wi-Fi CERTIFIED 6」の提供を開始したと発表した。
 
Wi-Fi 6は、Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)から
高速、低遅延、大容量化を実現するとともに
低消費電力化も進めた。
 
従来からWi-Fiが浸透しているPCやスマートフォン、
無線アクセスポイントルーターなどに加え、
Wi-Fi 6ではIoT(モノのインターネット)など
エッジデバイスへの活用を見込む。
 
Wi-Fi Allianceで
テクノロジー兼エンジニアリング担当バイスプレジデントを務める
マーク・ハング(Mark Hung)氏は、
Wi-Fi 6の採用デバイスが2020年末までに
約16億台にも達するとの予測を紹介した。
 
ハング氏は、Wi-Fi 6が
Wi-Fiが歩んだ20年の歴史の中で最大の進歩を実現した」と語る。
 
これまでのWi-Fi規格のアップデートと同様に
通信速度の理論値を向上させた他、
多数のデバイスが接続する混雑したネットワークにおいても
全体の通信速度低下を抑えた。
 
Wi-Fi 6では2.4GHz帯5GHz帯の2バンドを使用し、
Wi-Fi 5と比較して通信容量を約4倍に引き上げたという。
 
また、セキュリティ確保のため、
Wi-Fi 6では最新の「Wi-Fi CERTIFIED WPA3」準拠を必須とした。
 
ハング氏は
Wi-Fi6は5Gを補完するものだ。
 現在、モバイルデータの8割はWi-Fiにオフロードされており、
 5GではさらにWi-Fiへのオフロードが増大すると考えられる
」と述べ、
5Gとの競合は発生しないとの考えを示した。
 
また、5Gと比較したWi-Fiのメリットとして、
通信機器の設置コスト運用コストが低いことや
SIM管理が発生しないことなどを挙げた。