米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)が、
BI(ビジネスインテリジェンス)ツール「QuickSight」の分析機能を強化した。
 
100円ショップ「ダイソー」を展開する大創産業も競合から乗り換えた。
 
QuickSight」はクラウドサービス上あるいは
オンプレミス(自社所有)のサーバーのデータベースと連係させて、
商品ごとの販売の推移などを分析できる。
 
料金設定は、管理者ユーザーが1人当たり月額18ドルで、閲覧ユーザーは利用回数に応じて最大5ドル。
海外では2016年から、日本では18年5月から提供を開始した。
18年11月からは「QuickSight」に機械学習による分析機能が加わった。

 
 
機械学習の機能面のポイントは2つある。
 
①「異常検知」
 過去のデータと照らし合わせて、売れ行きが突然下がった場合など、
 機械学習による人工知能(AI)が異常と判断したときに管理画面やメールで通知する。
 
②「将来予測」
 データの推移をAIが分析し、季節要因による売り上げの増減などを自動的に加味しつつ、
 今後の予測値をグラフ上で提示する。
 
 折れ線グラフをマウスでドラッグするか、数値で目標値を指定すると、
 目標とすべき売り上げ推移のグラフをAIが描き直す。
 
③「自動ナラティブ」と呼ばれる文章の作成機能もある。
 日々の売れ行きのサマリーや、年次目標に対して どれだけ達成しているかを文章で表示する。
  (現状では、標準で英語のみに対応しているが、 カスタマイズ機能を使えば日本語に置き換えられる。)

 
 
 
■これらAI機能は、競合も搭載し、BIツール間の競争軸になりつつある。
 
BIツールの中でも操作性や機能の豊富さに定評がある米タブローの「Tableau」は、
「過去10年間の売り上げは」などと聞くだけで
データを可視化してくれる機能「Ask Data」を18年10月に加えている。
 
米クリック・テクノロジーズのBIツール「Qlik Sense」は
18年6月から特徴的なデータを自動抽出してグラフで提示するAI機能を搭載している。
 
ちなみに、「Tableau」をパブリッククラウドで利用する場合は、
閲覧ユーザー向けの「Tableau Viewer」のライセンス料は1ユーザー当たり年間1万8000円(税別)。
機能は異なるが、導入のハードルは月額費用が最大5ドルのAWSの「QuickSight」のほうが低い。