コーチの要望は拒んでも美味しい | ワタシ的コーチングのどうでもいい話

ワタシ的コーチングのどうでもいい話

コーチングを学ぶ日々に、感じたこと、気づいたこと、体験したこと、
自分に起きた事などを気が向いたときにシェアするブログ。
コーチングっていったい何するの?コーチングすると何が起こるの?のほんの一例。

コーチの'要望'のスキルは、いつもの自分からちょっと踏み出すのを助けてくれたりします。でも、これって、拒んでも美味しいのを知っていましたか?(///∇//)

春うららか。桜吹雪の中のお散歩が気持ちよい日々になりました。

だいぶ自分のペースが落ちてきて、ゆっくりした時間の流れを時間できるようになった私は、空いたスペースに友人との語らいの時間を持てたり、新しいつながりのきっかけを得たりして、静かに回復を感じています。

一方で、コアクティブコーチングの資格コースが視野に入ってきて、ワクワクと不安が入り乱れた感じがしたり、それとは別に生活の変化を予期したりと、落ち着かない気持ちも。

そんな中、ひたすらコーチの要望を拒み続けたセッションをご紹介したいと思います(笑)

コアクティブコーチングのスキルの'要望'とは、下記のブログでも少しご紹介しました。
振り回される日常で’真空’をつかむ

コーチの要望は、時に、新しい自分に踏み出すためにクライアントの背中を押します。
しかし、要望は必ずしも受諾する必要がありません。コーチの要望に対し、クライアントは、Yes/No、逆提案を選択することができます。

つまり、要望は、クライアントに何かを実行させることだけが目的なのではなく、要望を出すことでクライアントの中に何が起こるかを見る、セッションのひとつのリソースでもあるのです。要望されて自分の中に起こることがすべて、自分の深い部分へアクセスする入り口になります。

それでは、セッションのレポートをどうぞ♪

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

この日のセッションのはじまり、私は静かな回復の日々と、これから迎える上級コースへのもやもやした気持ち、生活の変化への不安を口にしていました。

そこへ、あまり要望を出さないコーチが、怒涛の要望攻撃(笑)。
未来の私をあぶりだそうとたくさんのリクエストを投げかけてきました。

-ヴィジュアライゼーションをしましょう。未来になりたい自分の姿をありありと思い描いてください

-10年後のあなたはどんな姿をしていますか?何をしていますか?

そんな要望の嵐の中で、私は胸苦しさを覚えて、心の中で叫びました。

なんでそんなことを聞くの?!

-気が進まないです

私はうめきながら、ぐっと自分の中で起こっていることを感じ取りに行きました。

まるで縄にしばられたような感じ。息苦しさ、重さ、圧迫感。

-それを聞かれたら、なんだか、重苦しい気分になりました。窮屈で、圧迫された感じがします。

私は感じたことを口にしてみました。

-私は目的地を決めてまっすぐ進むのが嫌なんです。

私はつぶやきながら、どんどん自分の中に意識をむけていきました。何が私を息苦しくしているのだろう?どうすれば、この息苦しさから解放されるのだろう?

そこで見えたもの。

-真っ白がいいです。

-なりたい自分は、自分にはまだ思いつかない領域にあります。

私が常日頃望んでいること。それは、自分の想定を超えて起こること。自分が、まだその存在を知らないところにある、本当のこと。'私'とは、たぶん、今、知っている私の範疇を越えるもの。今の自分には、到底理解できないもの。

-それでは、やりたいことリストを作ってください。直感の赴くままに。

うーーーーーん、とうなり声を上げ、私は、これも拒みました。
昔、たくさんのやりたいことリストを書き上げたときの様子が思い出されていました。

-やりいことリストに気が進まないのは、今、やっていないことは、今、この瞬間にはそれほどやりたいことではないからです。だからリストをつくることに興味が持てないのです。

-今、本当にやりたいことは、今もうやっているんです。だから、やっているリストなら作れます。

コーチはここで、なぜこの要望を出したのか、自分の経験を語ってくれました。

とあるワークで、とにかく無意識にやりたいことのリストを書き出してみたところ、普段まったく意識していなかったチェロの演奏があぶりだされました。まったく音楽の接点がなかった日常の中で、以前から淡く抱いていたクラシックへの憧れ。それが、何の実益も意図しない、純粋な欲求として、チェロの演奏をしたいという欲求に結びついていました。

実益を意図しない純粋な欲求は、自分の本質から生まれたもの。そこへアクセスして一歩踏み出すと、表面上はまったく関連がないように見える新しい扉が、次々と開いていく。私のコーチはそんな体験をしていたのでした。

私はコーチの原風景を見たような錯覚をして、その美しさを味わっていました。

そして、ようやく自分の状況が理解できました。

-私はこれまで、純粋な欲求にしたがって扉を開きすぎていたんですね。たくさんのものにつながって、どれも味わいたかった。そして疲弊してしまいました。

-そして、今は、ちょうどよいだけ扉をひらき、そこへぐっと集中して深く味わいたい欲求があります。

この対話を通して、私とコーチは今の私の状態を深く理解していました。そして二人は次のフェーズへ。今、まさに私が集中したいと願っているものに意識を向けていきました。

それはCTIのコ・アクティブコーチングの資格コースのことです。

私は、今の生活の中で、コーチングだけに贅沢に集中する時間のないことをつぶやきました。と、同時に

こどもが生まれてからというもの、自分の中に常に、複数のタスク、複数のチャネル、複数の輪役割、複数の感情といったものが同時進行していて、まるで多面体のテレビモニターのようだと。そして、それが、もはや、自分ではあたりまえになっており、それこそが今の自分なのだと。

コーチに向けて言葉にしたことで、ふっと私の中に、このあり方でいいのだという安心感と自信が沸き立ち、体が軽くなるのを感じていました。

漠然としたものがクリアになった翌日。
私は、何の力みもなく、資格コースへの申し込みを完了。
学びも次のステージへ移ろうとしています。

-Fin-